人手不足が本格化する中、中小企業に求められるのは、若手社員をいかに集めるか。「未来の18歳人口減少率」を見定め、廃業寸前の社員20人の会社を30年間で社員200人の企業グループに発展させたフクザワコーポレーション(長野県飯山市)の福澤直樹社長に、確実な未来を見据えた企業戦略の立て方を教えてもらう。

(写真/菊池一郎)
(写真/菊池一郎)
・廃業危機の土木会社を高収益企業に変貌させた「未来予測」
・人手不足が招く「土木危機」に立ち向かう秘策

仕事をする人がいない

 日本の18歳人口が117万人まで減った現在、建設業界でどんなことが起きているか、ご存じでしょうか。建設・土木はとりわけ人が集まりにくい業界なので、他業界の方もこれから起きる未来ということで聞いてください。

 建設業界には施工管理と現場施工の2種類があり、元請けと呼ばれる建設会社の多くは施工管理だけをしていると前回、説明しました。そのほうがラクだからです。けれど元請けと下請けの構造は、下請けに人がいるから成立します。

 建設以外の業界でも同じようですが、最近問題になっているのは、工事専門会社に仕事を出したくても、そこに人がいなくて仕事ができないという危機的状況です。工事会社のほうが会社は小規模ですから、元請けが人手不足であれば、工事会社がもっと人手不足なのは容易に想像できるでしょう。

 社員も高齢化しています。建設業界では60歳以上の技能者が4分の1を占めています。その大半は10年後には引退するでしょう。一方、これからの建設業を支える29歳以下の技能者は10%程度。このままでは明らかにまずい。

 さらに地球温暖化の影響でしょう、自然災害が年々増えています。毎年のように各地で豪雨による大規模な被害が出ますが、河川の修復などが終わらないうちに、次の自然災害が来るという状態で、全く工事が追いついていません。私たちの地元でも千曲川が2019年に氾濫しましたが、その工事はうまく進んでいない。

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