インフラのコストは安くて当たり前──。そんな「常識」は崩れた。燃料価格と電力市場価格の高騰を織り込んで、電気料金は来春も上がり続ける。中小企業の経営者からは「先が見通せない」「このままでは持たない」という声が絶えない。コスト削減の選択肢が狭まる中、どのような自衛策が今、取れるのだろうか。

<目次>
・使い方改革と省エネで電力高騰を乗り切る
・「創エネルギー」取り入れ、電力価格変動リスクを抑える

 化石燃料の高騰に影響を受けない電気を組み合わせて、トータルの電気料金の引き下げや、将来の電気料金の変動リスクを低減する。再生可能エネルギーをコスト削減に利用するケースもある。

創エネで下げる
自家消費の電気を組み合わせ、価格変動リスクを減らす

 漬物やつくだ煮、珍味などの食品加工メーカー、マルタスギヨ(新潟市)は21年5月、阿賀野センターの工場の屋根に設置した148kWの太陽光パネルで自家消費用の発電を開始した。

 初期投資はゼロ。設備を設置したテクノナガイ(新潟市)と17年の電力購買契約を結び、発電量に応じた電気料金を支払う。PPAと呼ぶ自家消費太陽光発電モデルだ。

 導入の際には国の補助金も活用した。1kW当たり6万円の補助金が出て、そのうち5分の4が電気料金に還元されたため単価がさらに下がる。

 発電開始後の1年半の間に、東北電力からの購入単価は4~5割上昇した。「一方で、太陽光の単価は最初に契約したままの固定なので差は広がり、メリットが大きくなっている」(増井雅樹・生産本部施設管理課課長)。

(左、右上)マルタスギヨは阿賀野センター(新潟県阿賀野市)に太陽光パネルを設置。東北電力から購入していた電力量の約10%を賄う。(右下)太陽光の自立分電盤。停電時も100Vの電気を供給する
(左、右上)マルタスギヨは阿賀野センター(新潟県阿賀野市)に太陽光パネルを設置。東北電力から購入していた電力量の約10%を賄う。(右下)太陽光の自立分電盤。停電時も100Vの電気を供給する

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