人間主体の高齢者施設

学童保育を併設する「ユーカリ優都ぴあ」(写真:菊池一郎)
学童保育を併設する「ユーカリ優都ぴあ」(写真:菊池一郎)

 山万は、02年に「福祉の街」構想を掲げ、約15ヘクタールの敷地に高齢者施設やクリニックなどの建設整備を進めている。住民ではなく、住民の親が高齢化し、引き取るための施設が必要だというニーズが見えてきたからだ。

 住民の暮らしを重視し、経営効率を後回しにするのは、高齢者施設でも同じ。07年には認知症対応のグループホームに学童保育を併設した、幼老一体型施設を全国に先駆けて開所した。この「ユーカリ優都ぴあ」の学童保育所管理者の高橋治美さんは言う。

街で学童保育を担当する高橋さん。ユーカリが丘の住民でもある(写真:菊池一郎)
街で学童保育を担当する高橋さん。ユーカリが丘の住民でもある(写真:菊池一郎)

 「この町の中では、人の一生のすべてが循環している。高齢者の方もいれば、小さな子供たちもいる。子供たちに無理に認知症の勉強をさせるつもりはないけれど、自分と少し違う感覚の人と接することで学べることは多いはず」

 住民のニーズを一つ一つ先取りして応えてきた山万は、グループ全体では1000人以上の従業員を抱えるまでになった。学童担当の高橋さんもユーカリが丘の住民。住民はサービスを享受するだけでなく、提供側としても街づくりに積極的に関わっている。

(この記事は、「日経トップリーダー」2020年12月号の記事を基に構成しました)

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