新型コロナウイルスが日本経済に暗い影を落とす中、M&A(合併・買収)市場が活気づいている。
 アフターコロナを見据える積極的な経営者、体力が弱まる中小企業の活性化を促す国。この両輪に火をつけられたM&A市場が膨張し始めた。

 注目すべきは、売り手と買い手を結ぶM&Aマッチングプラットフォームの台頭だ。1億円未満の小さな案件をスピーディーに成立させることができるようになり、すべての中小企業がM&Aを現実的な選択肢にできる舞台が整った。
 始まったばかりの「スモールM&A」時代で失敗しない秘訣を探る。


(写真/PIXTA)

<特集全体の目次>
・会社を数百万円で売買!? 中小企業に押し寄せるM&Aの波
・M&Aを支援するプロが証言「こんな社長は買収後に失敗する」
・「スモールM&Aをなぜ成功できたのか」買収した社長が激白
・中小企業M&Aのプロが問う「苦労を買うという覚悟はあるか」



コロナで激変するM&A市場
少額案件が急激に増加 すべての中小企業の現実的な選択肢に

 

M&A業界が色めきだっている。各地から聞こえてくるのは、「市場が急激に膨れ上がっている」という声。コロナ禍のM&A市場で何が起きているのか。

 「従業員3、4人程度の小さな会社でも、M&Aで会社を買いたいと相談してくるようになってきた」。こう語るのは、静岡県事業引継ぎ支援センターの清水至亮(よしあき)統括責任者だ。広島県のM&A仲介会社、喜創産業の山本将司会長も、「事業を売ろうと考える経営者がとにかく増えた。今後、まだ増えるだろう」と変化の大きさを感じている。

 コロナの感染拡大が起きた今春以降、全国のM&A市場が活況だ。背景には、コロナを契機にした不採算事業からの撤退や、逆に事業の拡大・多角化に動き出した中小企業経営者の存在がある。縮小したM&A市場の回復に年単位の時間を要した2008年のリーマン・ショックと状況は違う。

 こうした中小企業経営者やM&Aの支援関係者が、業界で「スモールM&A」と呼ばれる新しいかたちに注目している。

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