2025年頃を転換点として普及が始まるとも言われるEV(電気自動車)。電動化という激変下で、中小企業はどう生き残っていけばいいのか。鍵は、自社の独自技術・ノウハウを生かす「自前化」だ。

 トヨタ自動車さえもバッテリーやモーターなどをはじめとした重要部品の技術は、自らが持つか、習得する「手の内化」が何より重要とする。では果たして中小企業の自前化とは。クルマの近未来リポート【中編】は中小企業の動きを追う。

(写真/getty images)
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前編はこちら)

全工程で自前技術を洗い出し、強みを発見。電動車部品を全社で開発

コーリツ
創業 ● 1954年10月
事業 ● ‌トランスミッション部品、等速ジョイント部品、足回り部品など
売上高 ● 48.5億円(2021年3月期)
従業員数 ● 290人

<span class="fontBold">「7割の製品が電動化の影響を受ける」。コーリツの鈴木代表(左)は、自社の固有技術を磨いてその荒波を乗り越えようとしている</span>
「7割の製品が電動化の影響を受ける」。コーリツの鈴木代表(左)は、自社の固有技術を磨いてその荒波を乗り越えようとしている

 2018年春、ある大手部品メーカーの調達方針説明会に参加した自動車部品メーカー、コーリツ(静岡県磐田市)の鈴木利幸代表は、思わず「えっ」と驚いた。壇上から大手メーカーの社長が声を上げたのは「CASE」。

 「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェアリングとサービス)」「Electric(電動化)」という自動車の大きな変化が、クルマの構造を一変させるというものだ。

 既に16年秋頃には、欧州の自動車ショーなどで注目を集め始めていたが、自動車からエンジンが消え、部品も相当部分が変わるという大変革が現実のものとなるという実感は、中堅・中小企業まではなかなか伝わらなかった。

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