民事再生の一報と、その後のクラウドファンディングで、話題になった企業がある。子供向けアクセサリーや、ファンシー雑貨などを販売するサン宝石だ。これまで、女の子の夢を数多くかなえてきた同社に、一体、何があったのか。
「懐かしい!」「カタログが届くのがいつも楽しみだった」「お小遣いでよく買ってたっけ」「応援したい!」――。
2021年10月6日、「すべての少女・かつての少女たちに夢を届け続けるためサン宝石を再建したい!」とスタートしたクラウドファンディングのプロジェクトに、こうした声がSNS上で多数寄せられた。
サン宝石(山梨県中央市)が始めた日本初となる民事再生の申し立て中のクラウドファンディングは、ネットニュースやテレビなどでも取り上げられ、1日で目標の300万円を達成。10月20日時点で970万円以上の金額を集めるなど話題を呼んでいる。
今回はそんなサン宝石が、なぜ経営難に陥ったかを見ていく。
サン宝石の通販カタログ

サン宝石は1965年に創業し、79年に法人化。「安くてかわいい」子供向けアクセサリーやファンシー雑貨の製造・販売を手がける。「りぼん」や「ちゃお」といった少女マンガ誌を中心に広告を出すなど、小中学生の女児向けのカタログ通販事業で伸びてきた。
商品はどれも10円から数百円。時には1円セールも行う。500円の小遣いでも、いくつもの商品が買える価格設定だ。
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