今月の調査マン
東京商工リサーチ 情報本部情報部課長 増田和史
2003年東京商工リサーチ入社。情報本部で15年以上、企業倒産の取材や分析に携わる
かつてのインバウンド需要がなくなった結果、破綻を余儀なくされる企業が後を絶たない(写真はイメージ)(写真:PIXTA)

 新型コロナウイルスの経済への影響が続いている。コロナ関連の破綻は6月の103件をピークに7、8月は若干落ち着きを見せたものの、9月以降は再び100件超のペースだ。業績が戻らず、政府や自治体の資金繰り支援も効果が薄れ、小・零細企業の息切れが増えてきた。

 圧倒的に多いのは外出自粛や消費縮小を受けた販売不振による破綻だ。飲食業や宿泊業、小売業など、消費関連に依存する業種ほどダメージが大きい。

 インバウンド需要に傾注してきた業界も苦境に立たされている。

 コロナ禍以前、「観光立国日本」を旗印にした積極的な訪日客の誘致が効果を上げ、インバウンド市場は急速に膨らんだ。観光地には、海外の団体客が訪れ、閑古鳥が鳴いていた宿泊施設や土産物店には恵みの雨となった。都市部でも、訪日客の旺盛な消費が、百貨店や家電量販店の業績を押し上げた。

 7月は東京五輪で最高潮に達するはずだった。

 だが、外国人の入国は制限され、たちまちインバウンド需要が霧消。真っ先に行き詰まったのは訪日客中心の宿泊施設だ。これに連鎖し、施設に食材や資材を納入していた事業者や旅行会社、飲食店などを中心に、いわゆる「インバウンド消失型」の破綻が広がった。

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