人手不足に苦しむ中小企業に付け込む怪しい業者は少なくない。今回は、派遣業者から外国人労働者を安易に受け入れたことで大騒動に発展してしまった事例を紹介する。

(写真=PIXTA)
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 コロナ禍で往来が減ったとはいえ、日本各地のさまざまな場所で外国人が働く光景は珍しくなくなりました。彼らなしに現場は回らないという会社も多いのではないでしょうか。

 ただし、外国人を雇用する上では気を配らなればいけない点が多々あります。今回は、派遣業者から外国人労働者を安易に受け入れたことで、会社の基盤を揺るがすほどの大問題に発展してしまった事例を紹介しましょう。

 ある製造業のケースです。その会社は慢性的な人手不足に陥っていました。コロナ禍以後は外国人も採用できず、困り果てていたようです。

 そんなとき、ある派遣業者が「いい外国人労働者がいる。20人、30人ならすぐに派遣可能だ」と提案してきました。そんなうまい話があるのかと不審に思ったものの、「正規のビザで入国しているから問題ない」と説明されたため、深く追及することなく、雇用を決めてしまったと言います。

 問題が起きたのは、1年が過ぎた頃のことです。外国人労働者の1人とトラブルになり、そのまま音信不通になりました。

 そして忘れた頃に、その外国人労働者が加入したという外部の労働組合から「あなたの会社は外国人に不法就労をさせた。不法就労助長罪を犯している」という連絡が入ったのです。

 よくよく聞けば、元従業員であるその外国人が持っていたのは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でした。これは、工学や自然科学、法律学など専門分野を生かした業務に従事するための資格です。このため、一定水準以上の専門的能力を必要としない業務には就けません。

 しかしながら、この会社での仕事内容は、工場での流れ作業。専門知識や技術が不要な単純労働だったので、不法就労助長罪に当たるというのです。