「管理職になりたくない」という若手社員が増えている。出世をモチベーションに努力してきた「昭和世代」からすれば、理解し難く、困惑する。現場のリーダーである管理職がいなければ、組織は回らない。なぜ今どきの若者は昇進を嫌がるのか。その理由を解明しつつ、若手社員が積極的にリーダーを務めている企業のケースや、識者のコメントから 「管理職になりたくない症候群」への処方箋を示す。

(イラスト/PIXTA)
(イラスト/PIXTA)

<特集全体の目次>

・昭和世代は驚愕!? 若者の83%が「出世は勘弁」

・「それなら頑張るか!」ヤッホーの思わず出世したくなる仕組み

・昇進の“報酬”は、社長並みの強い権限

・「中間管理職が1人で何役もこなす会社は終わる」立教大学・田中助教


 これが次世代の組織モデル 
中間管理職が1人で何役もこなす会社は終わる
チーム開発に詳しい立教大学・田中 聡氏に聞く

「管理職になりたくない症候群」は、若手の意欲の問題だけではない。現状の管理職が、魅力的なポジションでないことも背景にある。まずやるべきは管理職の仕事を整理し、負担を減らすことだ。

 大事なのは、若手社員が管理職になりたがらない原因を、若手の意欲や価値観の変化だけに求めないことです。

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 彼らの目に管理職がどんなふうに映っているか。ずばり言うと「さまざまな雑用を抱え込み、上から与えられるノルマをこなすため、1人で頭を悩ませ、つらそう、しんどそう、かわいそう」です。

 管理職のやりがいや働きがいは、多くの若手には全く見えていません。

 昨今の管理職は仕事が多過ぎます。そこで、まずやるべきは管理職自身がやらなければいけない仕事の整理です。管理職でなければできない仕事は何か。メンバーがやってもいい仕事、むしろメンバーこそが担うべき仕事もあります。そうやって、管理職の仕事をスリム化していくのです。

 このためには、組織モデルを見直す必要があります。かつては1人の管理職が、部下一人一人に一方通行で指示を出していました。

 ところが今は、管理職と部下のコミュニケーションが重視され、悩みをきちんと聞いてくれる上司が求められています。その結果、1on1方式の面談を実施している企業が増えていますが、これがまた管理職を苦しめています。

 1on1は大切です。ただ、管理職の負担が重い。メンバーには月1回のことでも、管理職はメンバーの数だけ時間が取られます。

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