「管理職になりたくない」という若手社員が増えている。出世をモチベーションに努力してきた「昭和世代」からすれば、理解し難く、困惑する。現場のリーダーである管理職がいなければ、組織は回らない。なぜ今どきの若者は昇進を嫌がるのか。その理由を解明しつつ、若手社員が積極的にリーダーを務めている企業のケースや、識者のコメントから 「管理職になりたくない症候群」への処方箋を示す。

(イラスト/PIXTA)
(イラスト/PIXTA)

<特集全体の目次>

・昭和世代は驚愕!? 若者の83%が「出世は勘弁」

・「それなら頑張るか!」ヤッホーの思わず出世したくなる仕組み

・昇進の“報酬”は、社長並みの強い権限 事業設計も採用も

・中間管理職が1人で何役もこなす時代は終わる(11月10日公開)


 Case2 
クラスメソッド(クラウドなどの企業向け技術支援)
昇進の“報酬”は、社長並みの強い権限

大胆な責任権限の委譲で、社員の昇進意欲を高めている会社がある。2004年設立のIT企業、クラスメソッドだ。若者をその気にさせるのは、決して報酬だけではない。

「昇進後のやりがい」を大きく高めることで、管理職志願者不足を解消しているのが、クラウドなどの企業向け技術支援を手がけるクラスメソッド(東京・千代田)だ。

 従業員数はグループ全体で約700人。売上高は4年前の約5.7倍、427億円(2022年6月期)という急成長企業だ。

 そんな伸び盛りの同社のやりがいを高めるツールとは、権限の委譲だ。組織活性化のため権限委譲を標榜する会社は多いが、同社の徹底ぶりは一線を画す。

 クラスメソッドには、30人から100人までプロジェクトごとに大小さまざまなチームがある。チームの責任者は、事業設計から計画立案、他社との協業、人の採用、育成、仕事の割り振り、報酬の決定まで、ほぼすべての権限を持つ。年間目標も上から下りてくるのではなく、チームで設定している。

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