前回、中国で働くITエンジニアは、給与面でも福利厚生面でも、かなりの好待遇を受けていることを解説しました。また、熟練のITエンジニアが日本に続々移住してくる可能性についてもお話ししました。

 その流れで今回は、中国が世界屈指のIT人材を保有する国となった背景の1つ、教育事情について見ていきたいと思います。

STEM人材が育った

 今の中国IT業界の急成長は、膨大なSTEM(ステム)人材がいなければ成り立っていないでしょう。STEM人材とは、科学、技術、工学、数学の分野を統合的に学び、将来、科学技術の発展に寄与できる人を指しています。

 中国で理系・IT人材が多いのは国の人口が非常に多いこともありますが、小学校から大学まで、積極的にSTEM人材を育成しているからに他なりません。

 そのルーツは、鄧小平氏が1984年に「第1回少年児童プログラミング開発コンテスト」を視察した際の名言「コンピューターの普及は子供から着手せよ」に遡ります。それから約40年近くたった今でも、理系重視の傾向は中国の学校教育に根強く存在しています。実際、放課後に数学塾やプログラミング塾に通う小中学生も多くいます。

 また、国内外問わず、数学オリンピックやITコンテストでの受賞歴は、名門大学の入試選考においてプラス材料として考慮されるのも、専門塾が学生の中で絶大な人気を誇る理由の1つです。

 特に近年はオンライン教育の普及に伴い、K12層(幼稚園から高校を卒業するまでの層)をターゲットに、教育にデジタル技術を活用したEdTech(エドテック)領域は爆発的な成長を示しており、教育領域における有望なスタートアップへの資金流入も目立ちます。

 市場調査会社アイリサーチによると、2020年だけで約1030億人民元(約1兆7500億円)の投資がオンライン学習プラットフォームに流入したと推計されていて、その分野で新規IPOを果たした企業も急増しています。

衝撃の「塾禁止令」

 そんな中、中国政府は21年7月24日、学校の「宿題」と子供たちが通う「塾」の負担を減らすべく、教育関連業界に対してさまざまな規制をかけました。

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2/22ウェビナー開催、ウクライナ侵攻から1年、日本経済「窮乏化」を阻止せよ

 2022年2月24日――。ロシアがウクライナに侵攻したこの日、私たちは「歴史の歯車」が逆回転する光景を目にしました。それから約1年、国際政治と世界経済の秩序が音を立てて崩壊しつつあります。  日経ビジネスLIVEは2月22日(水)19時から、「ウクライナ侵攻から1年 エネルギー危機は23年が本番、日本経済『窮乏化』を阻止せよ」と題してウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは、みずほ証券エクイティ調査部の小林俊介チーフエコノミストです。世界秩序の転換が日本経済、そして企業経営にどんな影響を及ぼすのか。経済分析のプロが展望を語ります。視聴者の皆様からの質問もお受けし、議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。 

■開催日:2023年2月22日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:ウクライナ侵攻から1年 エネルギー危機は23年が本番、日本経済「窮乏化」を阻止せよ
■講師:小林俊介氏(みずほ証券エクイティ調査部チーフエコノミスト)
■モデレーター:森 永輔(日経ビジネスシニアエディター)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)

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