家業を承継し、一代で全く異なる会社に事業変革(トランスフォーム)した経営者、「事業トランスフォーマー」を紹介する本コラム。第9回は山梨県中央市のはくばく3代目、長澤重俊社長の事業変革を取り上げる。代替わりをした後、ニッチ市場で2つのメガヒット商品を生み、約20年間で年商100億円から200億円にまで成長させた軌跡をたどる。

3代目に当たるはくばくの長澤重俊社長。利益がしっかり出る体制をつくった上で、ヒット商品を生み出した(写真/はくばく提供)
3代目に当たるはくばくの長澤重俊社長。利益がしっかり出る体制をつくった上で、ヒット商品を生み出した(写真/はくばく提供)

 はくばくの前身は1941年設立の峡南精米で、戦後に兵役から戻った創業者の長澤重太郎氏は「麦こそ健康の源」として麦飯用の大麦加工に注力した。転機となったのは、53年に大麦を食べやすく半分に切り黒い筋をなくす切断機を独自に開発したことである。こうしてできた「白麦(はくばく)米」は、戦後の食糧不足時代には爆発的に売れて業績を大きく伸ばした。その後、高度経済成長期には米の需要が伸びる一方、大麦の消費は激減する。そこで同社は大麦の生産を続けながらも、製麺や製粉などの新規事業を展開していった。

 81年に創業者が急死し、2代目の長澤利久氏が社長に就任する。利久氏は「日本一の乾麺メーカー」を目指し、92年に子会社を設立して長野県の開田高原にそば工場を新設した。さらに2000年にはオーストラリアに有機小麦を使ったうどん工場を建設するなど、積極的に新規事業を展開した。そうした新商品を大麦で築いた米穀店ルート売っていたが、実は会社の経営状況は悪化していた。

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