新型コロナウイルスの拡大で業績低迷に悩む経営者は多い。一方で、「不況期こそチャンス」と、投資を積極化する経営者がいる。なぜ、不況期に投資をするのか、それによりどれだけ企業力を伸ばし、他社に先行することができるのか。不況期に攻めの手を打ち続ける経営者の考え方を聞いた。

<特集全体の目次>
・M&A、新規事業、設備・人材投資。不況期こそ競合に差をつける
・「新規事業こそ次の不況の備え」ヤマチユナイテッドグループ 山地章夫代表
・「同じ品質が安く手に入る」井口一世 井口一世社長
・樹研工業社長が父に学んだ考え方「不況期は『宿題』に取りかかる」
100万分の1グラムという極小の歯車で有名になったプラスチック精密部品メーカー、樹研工業(愛知県豊橋市)の創業者、故・松浦元男氏は、卓越した経営センスで、日本を代表する町工場をつくり上げた。2015年に後を継いだ直樹社長にコロナ禍の対応について聞いた。

1962年生まれ。米ボストンのバークレー音楽大学卒業。在学中からプロのベーシストとして活動を始める。その後帰国しローランド勤務などを経て、2003年に樹研工業入社。15年、父・元男氏の後を継いで社長就任(写真:堀 勝志古)
先代の松浦元男さんは、「日経トップリーダー」の取材で自己資金を持ち、不況期に設備投資をすることの重要性を何度も語っていました。そうした経営の考え方をどう引き継いでいますか。
松浦:私は2015年に社長を継ぎましたが、父から経営の手法をあらたまって教わったことはほとんどありません。世間話をしたりする普段のコミュニケーションの中で、父が経営で何を重視しているのかという基本的な考え方を受け継いできたように思います。
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