
Q.2004年、多角化経営を歩んだカネボウが破綻。「おまけ」と呼ばれた3事業で新生クラシエとしていかに戦ったか。
A.社員にあらゆる情報をオープンにした
昔は「クラシエです」と名乗っても分かってもらえず、「元カネボウの」とよく説明したものです。当社は2004年に経営破綻したカネボウの日用品、薬品、食品という3つの事業を継承した会社です。化粧品の「おまけ」を集めたと揶揄されたこともありましたが、クラシエとして再出発して15年、売上高も間もなく1000億円に手が届くまでになりました。
カネボウの破綻直前まで、私は大阪で日用品事業の販売部長をしていました。会社が危ないという予兆はもちろんありました。給与は10%カット、賞与も出なくなっていましたから。しかも全部新聞報道で知りました。
営業の現場も異常でした。カネボウは売り上げ至上主義で、月末になるとノルマ達成のため、得意先に頭を下げて商品を押し込み、売り上げを立てていました。
そんな状況でも辞めなかったのは、100年以上続いた会社が崩壊する姿を見届けたいと思ったからです。迷惑をかけ続けてきた得意先にきちんと対応しなければという気持ちもありました。
それに最後に数字を無理につくらされて大変な思いをしていたものの、日用品事業は比較的順調で商品力もありました。解体されても、あしき習慣を改めれば事業を続けられると思っていたのです。
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