世界一のモーターメーカー、日本電産を創業した永守重信会長が自ら運営に乗り出した京都先端科学大学の改革を本格化させている。昨年4月には工学部を開設、全学で徹底した英語教育も実施し、新たな大学づくりに挑む。「大学教育は間違っている」。即戦力になれる人材を大学は育てていないと声を上げる。既に私財200億円以上を投じ、牢固とした象牙の塔を崩そうとしている。

永守氏が大胆な改革を進める京都先端科学大学(上)と、今春の入学式の様子(下)(写真上/菅野勝男)
永守氏が大胆な改革を進める京都先端科学大学(上)と、今春の入学式の様子(下)(写真上/菅野勝男)

 「やったー」

 京都市にある京都先端科学大学工学部2年生の諸田紘一さんが今年4月初め、笑顔を弾けさせた。諸田さんは、ソフト分野でイノベーションを生み出せるクリエーターを発掘育成する若手の登竜門と言われる「未踏IT人材発掘・育成事業」(情報処理推進機構主催)に自身のアプリ企画を応募し、1次審査を通過したのだ。

この3年余り、急速に改革を進める
●京都先端科学大学の歴史
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出所:永守学園資料を基に本誌作成
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 未踏ITは通常は大学院生クラスが応募するもの。諸田さんが応募したのは、動画などを編集してインターネットに上げる際に、動画内で個人情報を特定されそうな部分を自動的に見えなくするという独自のアプリだ。諸田さんは昨年4月、京都先端大に開設されたばかりの工学部1期生。ソフト開発は「入学した後でその面白さに目覚めた」(諸田さん)という。

 未踏ITは最終審査で〝落選〟したものの、入学後、短期間にソフト開発の技術を習得し、「次はロボットを制御するソフトのバグを自動で発見するソフトを作ろうと思う」。すっかりクリエーターの卵に成長している。

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