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とびっこ、くらげうにといった珍味を製造する兵庫県芦屋市のかね徳は、コロナ禍でテレワークの実施を迫られた。そこで、グループウエアを導入したことをきっかけに、同じ話の伝達を繰り返す「伝言ゲーム」をユニークな方法で減らす生産性向上を実現した。従業員130人の組織力を引き上げた「かね徳流 DX(デジタルトランスフォーメーション)」を紹介する。

かね徳の看板製品の一つ、塩うにとくらげをあえた珍味「くらげうに」

東村社長が気づいた「伝言ゲーム」とは?


 かね徳は海産珍味をスーパーや飲食店に納め、売上高は32億4700万円(2020年6月期)。4月の緊急事態宣言で飲食店向けの売り上げが伸び悩む中、一部の社員が交代で在宅勤務をする体制への切り替えを推進した。5、6月には、全社員の65%が出社、35%がテレワークをするようになった。

 在宅社員とも仕事の相談ができるよう、4月にはビデオ会議ができるグループウエアのTeams(チームズ)を使い始めた。

 ビデオ会議が増えるにつれ、かね徳の東村具徳(とものり)社長は、電話による従来の社内コミュニケーションに無駄が多かったと気づいた。

 一度話した内容を別の人に伝えるために何度も繰り返す「伝言ゲーム」の無駄が社内の随所で起きていた。

 例えば、ある支店の営業担当者が取引先から商品に対する要望を受けた場合、支店長、営業本部長と報告が上がる。商品の改良が必要なら開発リーダーに報告し、開発担当者による商品の改良が始まるといった流れになる。