そのように、経営者である皆さん自身が心を高め、純粋で美しい心になろうと懸命に努めることで、従業員も「この人のためならば」と思ってくれ、共に社業の発展に尽くしてくれるようになるはずです。
いかなる業種・業態であっても、従業員の心をつかみ、企業を燃える集団へと変えていくには、経営者自身に人々を引きつける人間的魅力、人格がなければなりません。
もちろん、企業を経営していくわけですから、営業や物流の体制、さらには管理会計や経理システムの構築など、具体的な経営の手法、手段の整備ということも不可欠です。しかし、それらを実行していくにしても、従業員の協力がなければできません。
経営者ですから、命令したり、権力によって従業員を従わせることはできます。しかし、心から納得した上で仕事をしてくれなければ、結局は、すべての努力は水泡に帰してしまいます。逆に、従業員が経営者を信頼し、尊敬し、自分の会社のために尽くそうと思ってくれれば、指示を与えなくても、自主的に行動を起こしてくれるようになります。
だからこそ、フィロソフィの実践を通じて、経営者が心を高め、従業員から尊敬されるような人格を備えることが求められるのです。そして、「社長がそういう立派な考え方をしているから、我々従業員は共鳴もするし尊敬もする。だから社長と一緒に会社発展に尽くしていこう」と、従業員が考えるようにしていかなければならないのです。

このことをよく理解していただき、経営者として、従業員とともにフィロソフィの体得に励んでいただきたいと思います。そうすれば、企業は必ず成長発展を遂げていくとともに、その繁栄を長く持続することができるはずです。
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