中堅・中小企業経営者が今読むべき新刊書籍4冊を紹介する。今月は、トーマス・グリタ、テッド・マン著 『GE帝国盛衰史』のほか3冊を取り上げる。

そのとき何が起こっていたか

『GE帝国盛衰史』
『GE帝国盛衰史』
著者:トーマス・グリタ、テッド・マン/出版社:ダイヤモンド社/価格:2200円

 世界最大の複合企業、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の凋落を描いた1冊。

 2018年、同社はダウ工業株30種平均(ダウ平均)の構成銘柄から外された。これはもはや米国で最も重要な企業の1つではないことを意味している。以降、運輸交通事業やバイオ医薬品事業を売却するなど解体が始まっているという。

 1980年代から90年代、飛ぶ鳥を落とす勢いだった同社がなぜこんな事態に陥ったのか。本書では、経営戦略やビジネスモデルではなく、ウェルチ、イメルト、フラナリーという歴代経営者を主語にして語られていて、巨大企業の衰退が驚くほど身近に感じる。

 膨れ上がった事業分野、なりふり構わぬM&A、違法すれすれの会計処理などGEが抱える問題はどれも根深い。

 そんな同社の暗部を象徴するのが、イメルト時代のコーポレートジェット問題だ。

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