高い技術力を持っていても倒産する製造業は少なくない。奈良県生駒市でチタン製品の開発・製造をしてきた昭和も例外ではなかった。業界でも有名な「チタンの昭和」と呼ばれた企業は、なぜ事業停止に至ったのか。

<span class="fontBold">奈良県生駒市にある昭和の本社ビル</span>
奈良県生駒市にある昭和の本社ビル

 「世の中を良くしようと、志を持って経営していた会社だった。残念で仕方がない」

 チタン製品の開発・製造で定評のある昭和(奈良県生駒市)が自己破産した事実について、関係者の多くが同じような感想を述べた。

 厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響による解雇・雇い止め(見込みを含む)の人数は累計11万人を超えた。業種別では製造業が最も多く、約2万5000人に及ぶ。

 製造業では企業の新規設備投資が避けられる傾向もあり、受注減に悩む企業も少なくない。中には事業停止に陥るところもある。

 高度な加工・製造技術を持ち、顧客からの評価も高かった昭和も、そうした企業の1つだ。

 同社はピーク時の2009年1月期に約17億円の売上高を計上したが、その後は低迷。21年6月15日に事業を停止し、同月30日、奈良地裁へ自己破産を申請した。負債総額は約25億円。21年における奈良県内のコロナ倒産案件では、最大の負債額となった。

続きを読む 2/5 チタンと共に歩んだ54年

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