第4話 社長!贈与の仕方によっては、もっと節税効果が出ますよ


社長:「先生、これまで毎年、子供や孫たちに年間110万円ずつ贈与してきましたが、私自身、株の運用で毎年財産が増えてしまって‥…」

税理士:「贈与税のことを考えて110万円ずつにしているのですね。もしそれが生活費の補助であれば、贈与税はかかりませんよ。もっと言うと、社長の相続税の税率からすると、さらに贈与したほうが相続税の節税効果がありますよ」

社長:「でも贈与税を払うことになってしまうんですよね?」

税理士:「非課税の範囲で相続対策をするのはそもそも無理ですよ」

社長:「そうなんですか……。相続税や贈与税はややこしくて」

税理士:「では、少しご説明しますね」


 生前贈与というと年間110万円の基礎控除範囲内で行うイメージがあると思います。これは相続税の基礎控除額である「3000万円+600万円×法定相続人の数」をギリギリ超えている人たちが行うと「贈与税も相続税もゼロ」となって効果がありますが、自社株も含め、数億円の財産を相続させる場合には、110万円の贈与では効果ありません。

 日本の贈与税、相続税、所得税(住民税含む)の最高税率はそれぞれ55%となっています。財産や所得によって税率が変化する累進税率では、「税金を払わずして節税」するのではなく「どうせ払うなら低い税率で払う」という考えに変更しないと、相続対策は進まないのです。

 上記のケースでは、学費や生活費の足しに仕送りする場合は「贈与税の非課税財産」に該当し、そもそも税金はかかりません。国税庁のホームページによると、仕送りで非課税となるのは夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産となります。

 ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用を指し、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などです。

 なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として「その都度必要な費用」に限られます。

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