人材の確保は、中小企業にとって永遠の課題だ。もっとも、人材を採用しただけでは意味がない。定着させてこそ、中長期的な戦略も描ける。では、どうしたら効率よくミスマッチのない人材を採用し、かつ長く働いてもらえるのか。それを可能にした「仕組み」に焦点を当て、4つのケースを紹介する。

「会社が急成長し、顧客対応業務が複雑化してきたときに、業務の細分化を思いついた」という木下社長(写真/皆木優子)
「会社が急成長し、顧客対応業務が複雑化してきたときに、業務の細分化を思いついた」という木下社長(写真/皆木優子)
・Case1【間口ロジ関東】単発アルバイトから自社に合う人材を社員に採用
・Case2【サーバーワークス】前職の上司から仕事ぶりを聞く(8月17日公開)
・Case3【三陽工業】会社の「素顔」を見せ、若者の関心を引く(8月18日公開)
・Case4【北の達人コーポレーション】得意なことに特化してもらう(8月18日 夕方公開)

Case4北の達人コーポレーション

 離職につながる原因の1つが、不得意な仕事をさせられることだ。逆に、得意な仕事であればさほど苦もなく取り組めるので長続きするし、戦力になるのも早い。

 社員の得意、不得意を見抜き、最も適した仕事に専念してもらうことで社員の定着率を高めているのが、健康食品や化粧品の通信販売を手がける北の達人コーポレーション(札幌市)だ。

 適材適所を標榜する会社は数多いが、同社の徹底ぶりは群を抜く。例えば、コミュニケーション能力が高く、カスタマーサービス部門向きの人材がいたとする。

 普通は該当部署に配置して終わりだが、同社では「電話対応専門」「メール対応専門」に分け、それぞれ最適な人材を配置している。

 木下勝寿社長がこの仕組みを考えたのは十数年前。それまでは、カスタマーサービス部門の社員は、顧客からの電話とメールの両方に対応していた。

 ある日、木下社長は電話対応とメール対応の両方が得意な社員は少数という事実に気づく。

 電話対応はうまいが文章は苦手な人。反対に、メールの返信は得意だが、電話対応となるとしどろもどろになる人。誰だって不得意なことは苦痛で意欲は下がる。やがては仕事を変えたくなるかもしれない。

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稲盛和夫氏の書籍を続々刊行

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