人材の確保は、中小企業にとって永遠の課題だ。もっとも、人材を採用しただけでは意味がない。定着させてこそ、中長期的な戦略も描ける。では、どうしたら効率よくミスマッチのない人材を採用し、かつ長く働いてもらえるのか。それを可能にした「仕組み」に焦点を当て、4つのケースを紹介する。

「リファレンスチェックの結果を入社後の配属や指導方法にも活用している」と話す大石社長(写真=皆木優子)
「リファレンスチェックの結果を入社後の配属や指導方法にも活用している」と話す大石社長(写真=皆木優子)
・Case1【間口ロジ関東】単発アルバイトから自社に合う人材を社員に採用
・Case2【サーバーワークス】前職の上司や同僚から勤務状況や仕事ぶりを聞く(8月17日公開)
・Case3【三陽工業】会社の「素顔」を見せ、若者の関心を引く(8月18日公開)
・Case4【北の達人コーポレーション】得意なことだけしてもらう(8月18日 夕方公開)

Case2サーバーワークス

「有名企業の出身で、採用面接ではあれもできる、これもできると言っていたが、入社してみたら期待したほどではなかった」。

 こうした経験は、多くの経営者にあるはずだ。とはいえ、応募者にどれほどの能力があるかは履歴書や面接での「自己申告」だけでは見抜きにくいもの。コロナ禍でオンラインでの採用活動が中心となると、それはさらに難しくなる。

リファレンスチェックとは

 そんな中、中途採用に応募してきた人物の能力などを見極める手段として注目されているのが「リファレンスチェック」だ。

 リファレンスチェックとは、求人企業が応募者をよく知る人物、具体的には現勤務先や前の勤務先の上司や同僚からどんな人物か、どのような仕事ぶりだったかなどをヒアリングすること。外資系企業などでは以前から一般的に実施されている。

 リファレンスチェックの良い点は、より正確に応募者の能力を推し量れることだ。例えば、応募者本人が「営業でトップの成績だった」と言っていても、本当かどうかは分からない。

 それに対して、リファレンスチェックでは、例えば、前職の上司から「営業担当者10人中5番目くらいだった」といった客観的なコメントをもらうことができる。

 応募者本人と一緒に仕事をしていた人にその仕事ぶりを聞くのだから、面接での応答からあれこれ推察するよりずっと確度の高い情報が得られる、というわけだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り993文字 / 全文1898文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。