コロナは終息の見通しがつかず、世界規模で経済活動は大打撃を受けている。こうした状況下でも知恵を絞り、次の一手を打っている企業はある。

 本特集はそんな企業の中でも「発想や工夫が素晴らしい」「これからもっと需要が高まりそう」という、アフターコロナで期待できるビジネスモデルを紹介する。

 事業転換や新規事業の立ち上げを検討している人は、そこからヒントを得てほしい。それでは早速、見ていこう。


(写真/菊池一郎)
<特集全体の目次>
・画面の向こうに、魅力や熱量をどう届けるか
・既存手法をひとひねり、コロナ後は知恵を使って売り上げアップ
・新ビジネスモデルを生むためにすべき「4つのこと」
・対面が困難な、テレワーク時代に効く営業戦略
・ものづくり支援や高級食材ロス削減、コロナ禍をチャンスに変える
・宅配急増、効率化目指し物流の新ビジネス続々
・海外の急成長ビジネスから新規事業に生かすヒントを得る

物流効率化クラウド

物流の「ラストワンマイル」をITで効率化

 コロナ禍では在宅の人が増えて、宅配便の利用が急増した。再配達の削減など、物流効率化を狙う新サービスが芽吹き始めた。



伝票の住所を鍵に情報蓄積
●207のビジネスモデル
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受け取り手が在宅か不在かを知らせるアプリの画面例
受け取り手が在宅か不在かを知らせるアプリの画面例

 政府の緊急事態宣言で外出を減らす人が増えたことにより、インターネット販売の利用が急伸した。その流れは今も変わらず、宅配便の取り扱い個数も大きく増えている。5月のヤマト運輸の実績は前年同月比で19.5%増。日本郵便の実績は同29.1%増となった。

 コロナ後をにらんだビジネスは、こうした宅配便の急増にもチャンスを見いだしている。

 宅配便が抱える大きな問題の1つが、再配達の多さだ。国土交通省が2015年に調査した結果によると、宅配便全体の20%近くが再配達になり、約9万人の労働力が無駄になったと見られている。

 同じく国交省によると、20年4月の宅配便の再配達は23万個に上った。コロナで在宅する人の割合が増えたことから再配達率は前年同期からほぼ半減して8.5%となった。ただし、需要全体が増加しているため、再配達は依然として大きな問題なのは間違いない。

 こうした再配達の削減のために登場したのが物流の効率化を支援するサービスだ。

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