いまだに「お客様は神様」なのか──。顧客からの理不尽な要求や悪質なクレーム、嫌がらせや暴力を指すカスタマーハラスメント(カスハラ)がこの2、3年で注目されるようになった。社会的なストレスの増大、最近はコロナ禍によるさまざまな制約もカスハラの増加に拍車をかけている。従業員の安全配慮義務上からも、経営者はカスハラへの対策を迫られる。さらに問われているのは「我が社の顧客とは誰なのか」だ。

(写真/PIXTA)
(写真/PIXTA)
<特集全体の目次>
・中小企業にもカスハラ対策が迫られる
・「グレーなクレーム」を顧客対応の現場でどう見極めるか
・顧客との関係性を明言し、カスハラへの抑止力をつくる


「私たちの顧客はこんな人」「顧客と目指したいのはこんな世界」。経営トップが社内外に指針を明言、共有することがカスハラ対策だけでなく、顧客や社員同士のより良い関係性を築く。2社の事例を見る。

 「在宅勤務中に、自分の部屋でカスハラにあったら逃げ場がないだろうな……」

 プロジェクト管理ツール「Backlog」やチャットツール「Typetalk」を開発、提供するソフトウエア会社のヌーラボ(福岡市)の橋本正徳社長は、新型コロナの感染拡大で同社のカスタマーサポートチームのリモートワークが本格化した昨年4月、こう考えた。

<span class="fontBold">ヌーラボの橋本社長</span>
ヌーラボの橋本社長

 ヌーラボのカスタマーサポートチームは15人。顧客からの問い合わせはメールやチャットで対応し、現在も全員がリモートでの勤務だ。これまで社内で問題になるようなカスハラ被害はないものの、チームの顔が簡単には見えない状態で「1人で顧客対応をして、自分の部屋でつらい思いをするような経験をしてほしくない」と橋本社長は言う。

続きを読む 2/3 検出の敷居を下げる

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