中堅・中小企業経営者が今読むべき新刊書籍4冊を紹介する。今月は、阿部修平著 『トヨタ「家元組織」革命』のほか3冊を取り上げる。

創業家後継者の覚悟と気概

『トヨタ「家元組織」革命』
『トヨタ「家元組織」革命』
編著者:阿部修平 出版社:リンクタイズ 価格:2530円

 創業家の後継者はとかく「ボンボン社長」といったイメージを持たれやすい。トヨタ自動車の社長、豊田章男氏にしても同様だ。トヨタを「家元組織」に、章男氏を組織の頂点に立つ「家元」と位置づけ、その経営とリーダーシップを分析したのが本書だ。

 章男氏が2009年に社長に就任したとき、トヨタはリーマン・ショックに巻き込まれ4610億円という巨額の営業赤字を計上。加えて、米国で大規模リコール騒動が発生するなど、屋台骨が揺らぐ危機が続いていた。

 章男氏は当時を振り返り、「社内のみならず、世間からも誰からも望まれない社長として登場した」と述懐している。認めてもらうためには、圧倒的な実績を挙げるほかない。

 この頃、トヨタは販売台数を大幅に増やしていたものの、1台当たりの粗利額は増えていないばかりか損益分岐台数が著しく増加していたという。

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