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 コロナは終息の見通しがつかず、世界規模で経済活動は大打撃を受けている。こうした状況下でも知恵を絞り、次の一手を打っている企業はある。

 本特集はそんな企業の中でも「発想や工夫が素晴らしい」「これからもっと需要が高まりそう」という、アフターコロナで期待できるビジネスモデルを紹介する。

 事業転換や新規事業の立ち上げを検討している人は、そこからヒントを得てほしい。それでは早速、見ていこう。


(写真:下段中央/菊池一郎)
<特集全体の目次>
・画面の向こうに魅力や熱量をどう届けるか
・既存手法をひとひねり、コロナ後は知恵を使って売り上げアップ
・新ビジネスモデルを生むためにすべき「4つのこと」
・対面が困難な、テレワーク時代に効く営業戦略
・ものづくり支援や高級食材ロス削減、コロナ禍をチャンスに変える
・宅配急増、効率化目指し物流の新ビジネス続々
・海外の急成長ビジネスから新規事業に生かすヒントを得る


自宅で旅気分! オンラインバスツアー

新しい旅のスタイルを提供し、大反響

 リアルイベントのオンライン化が急速に進む中、非対面でも魅力を損なわないサービスが生まれている。新たなニーズをつかんだ〝自宅にいながら旅気分を味わえる〟オンラインバスツアーの魅力を探る。



 コロナの感染拡大による自粛生活は、観光業にかつてない大打撃を与えた。消滅したインバウンド需要もいつ戻るか分からず、先行きは不透明だ。

 そんな中でも明るい話題はある。逆境の中から生まれた〝自宅にいながら旅気分を味わえる〟オンラインバスツアーだ。地元のメディアだけでなく全国ネットの情報番組にも取り上げられ、大反響。どのツアーも満席が続く状態が続いている。

 ツアーを提供するのは、香川県のバス会社、琴平バス。参加者はビデオ会議システム「Zoom」を使って、約1時間30分の仮想バス旅行を楽しむ。

 ユニークなのはその仕組み。バス旅行の楽しみは、道中で味わうさまざまな食事。それをオンラインでも楽しめるよう、ツアーの当日までに参加者の自宅に旅先の特産品(食べ物など)を届けるようにした。例えば、石見神楽鑑賞ツアーでは、高級魚のどぐろを使った商品や地酒(ジュースにも変更可能)などが届く。参加者はツアー中に同じ食事を食べ、感想を述べ合うことで一緒に旅をしている気分に浸れる。

 現地のガイドによるライブ中継も旅気分を一層高める。ライブ中継は観光地を案内するだけでなく、道の駅などのお土産売り場も紹介する。その際、商品を購入できるECサイトのURLをチャットで案内。参加者は気になった商品をすぐに買うことができる。