「うちは差別化ができない商売をしているから」と、ビジネスモデルを低利益率の理由にしているケースがある。新光重機が手がける建設機器レンタルも差別化が難しいはずだが、成長と利益を両立させている。その秘訣は「当たり前」の積み重ねにある。

(写真/堀 勝志古)
(写真/堀 勝志古)

経常利益率20%目標と設備投資重視の両立

直近5年で経常利益率16%以上を維持する新光重機。最重要の商売道具である建設機械には売上高の約20%を投じる。しっかり買って、貸して、売却する好循環が好業績を支える。
(写真/堀 勝志古)
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 千葉県内に拠点網を持つ、建設機械レンタルが本業の新光重機(千葉市)は、2022年5月期の売上高が52億7503万円。経常利益は8億6194万円で、売上高経常利益率は16.3%に達する。

11年間で売上高2倍

 利益率だけでなく、成長率も高い。東日本大震災があった11年5月期の売上高は25億7000万円であり、11年で2倍の規模に成長している。

震災以降の高投資が成長につながる
震災以降の高投資が成長につながる
新光重機の主要業績指標の推移
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 基本のビジネスモデルはシンプルだ。建設機械メーカーが製造している機械を購入して、建設会社に貸し出す。一部の建設機械メーカーとは開発段階から関わるが、多くはない。独自の技術やノウハウを持つ製造業が採るような、根本的な意味での性能や価格面での差別化はできない。

 このようなビジネスでは一般的に、大規模調達による仕入れ価格の圧縮が効果的だ。そのため、大資本ほど有利になる。それでも新光重機は、千葉県内で、大手と互角以上に戦い、成長と高収益を両立させている。

 現在の新光重機が採っている基本方針に奇策はない。1つ目は、毎年利益を計上して内部留保を積むことだ。中尾繁昭社長は経常利益率20%が毎年の目標だと語る。結果は20%にこそ届かないが、直近は16%下回ったことはなく、紛れもない高収益企業だ。

 その上で、不良債権や投資案件などを毎年処理して、実態に近いバランスシートの作成に腐心する。それで金融機関や調査会社から高い評価を得て、安定かつ低利の資金調達につなげている。

 「我々のような業種は金融機関からの信頼が重要だと気づいてからは、あらゆる情報を開示している」と中尾社長は語る。金融機関はもちろん、調査会社の担当者も招き、彼ら向けに数時間、業績説明会を実施しているという。

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