スーパーやドラッグストア、100円ショップに日用品や衣料品を供給していた。東南アジアなどに製造を委託し輸入していたが、コロナ禍の影響で行き詰まる。再生途上で急激な円安が進行。独自商品の開発も奏功しなかった。

 2022年5月20日、東京都八王子市のアイ・フィット工業(高山勝也社長)は、東京地方裁判所から民事再生手続き廃止の決定を受け、破産手続きに移行した。

東京都八王子市のアイ・フィット工業の本社
東京都八王子市のアイ・フィット工業の本社

 アイ・フィット工業は、日用品や衣料品を中国や東南アジアの工場に製造委託して輸入、販売していた。コロナ禍の影響を受けて、21年12月に民事再生法適用を申請し、自主再生を目指していた途上だった。

PB商品を海外製造、輸入

 昨年12月、突然の破綻で取引先には動揺が走った。比較的最近まで取引をしていたという企業は「取引前に信用調査もしていたが、特に問題はなかった」という。

 アイ・フィット工業は09年の設立で、歴史は13年と長くはない。

 主に取り扱っていたのは、スーパーやドラッグストア、100円ショップなど向けの廉価な日用品や衣料品で、その多くは納入先小売りのPB(プライベートブランド)商品として供給していた。

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