前回の東京五輪をきっかけに、世界に広まったのが日本発のビニール傘だ。開発したのはホワイトローズ(東京・台東)。今なお、国内で傘の生産を続ける。創業300年の老舗は、クラウドファンディングなどで新市場を果敢に開拓する。

1955年生まれ、東京浅草出身。中央大学卒業後、スポーツ用品のSSKに入社。ロサンゼルス駐在員を経て83年にホワイトローズ入社。世界に先駆けてビニール傘を開発した父親を引き継ぎ、10代目社長として市場開拓を進める
クラウドファンディングを積極的に活用しています。
須藤:2018年に「Makuake」というプラットフォームで初めて、クラウドファンディングに折り畳み式ビニール傘を出しました。

我々は国内でビニール傘を作っている会社です。以前は問屋から小売りを通じて販売するのが当たり前でしたが、今はリアル店舗の売り上げは低迷しています。一方、インターネットを通じた購入が活発です。我々も、そのような新しい売り方を勉強しなければならないと考えたのがきっかけです。このときは378人から460万円を応援していただきました。
また昨年には、千葉県の工場が台風で甚大な被害を受け、その再建費用に「READYFOR」というクラウドファンディングを活用しました。さらに今年に入ってMakuakeで、紳士用のワンタッチ型ビニール傘を出品中です。
1本約1万円で、持ち手の部分には天然木を使い高級感を出しています。ジャンプ傘は車に乗る方からのニーズが多いのですが、ベンツやBMWから降りる際に使ってもふさわしいビニール傘、というイメージで開発した商品です。
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