社員が50人を超えたとき、創業メンバーが相次いで去っていった。社員が100人を超えたとき、経営批判が社員から噴出。士気は下がり、ついに組織が壊れた。そんな最悪の状態にあったデザイン会社のGoodpatch(グッドパッチ)はいかにして組織を立て直したのか。2年半に及ぶ変革を振り返る。

<特集全体の目次>
・離職率40%、組織崩壊からの復活
・危機的局面で社員を味方につけるトップの3つの条件
本社 ▶東京・渋谷
設立 ▶2011年9月
業種 ▶ UI/UXデザイン
売上高 ▶27億円(21年8月期)
従業員数 ▶236人

スマートフォンのアプリなどデジタル領域のデザインを手がけるデザイン会社。スタートアップから大手企業まで幅広く支援(上は同社が手がけた出前館(左)とサントリー食品インターナショナルのアプリ画面)。20年6月にはデザイン会社として初の上場を果たす。東京のほか、独ベルリンにオフィスを構える。
誰かが自身の成果を発表すると、どこからともなく大きな拍手が起こり、会場は盛り上がる──。
グッドパッチの全社総会での光景だ。同社はスマートフォンのアプリなどのデザインを手がけ、土屋尚史社長が2011年に創業。デザインだけでなく、顧客の事業やサービスの戦略・設計から関わるのが特徴だ。
21年8月期の売上高は前期比27・9%増の27億円、営業利益は同87・5%増の4億円と足元の業績は好調だが、ほんの数年前、組織崩壊に陥りかけていたという。
会社設立1年目、ニュースアプリ「Gunosy」の操作性や使い心地の改善に携わり、これがヒット。グッドパッチにも問い合わせが殺到し、事業も組織も急速に拡大していく。社員数も2年目に20人、3年目に30人、4年目50人と増え続けていった。
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