評価の甘辛を解消

(写真/PIXTA)
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 「期待成果を数値で記すのは難しい」と言う経営者もいますが、数字がないと「甘辛評価(評価者によって甘い、辛いが分かれること)」が出ます。5000万円は、誰がどう見ても5000万円。「私から見たら3000万円だ」ということはない。それが数字があることの強さです。数字に基づいて評価し、社員が5段階の2点の評価なら、3点になるように指導する。

 「人事部など間接部門の成果は数値化できない」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。先ほどのように人事制度の見直しにより労働分配率を下げれば、数字に表れます。どんな業界・職種であっても、成果は必ず数値で表すことができます。

 そして毎年、社員と話し合って、より良い期待成果を表す要素がないかを検討するようにします。変化の激しい時代なのですから、何年も同じ期待成果を掲げているほうが不自然です。

 ある大手企業の人事担当者が「職能資格基準を持っている」と言うので詳しく話を聞くと、10年前に作ったもので驚いたことがあります。聞けば、売り上げは10年前の5倍以上。それほどまでに会社が成長しているのに、10年前の評価内容が今もそのまま通用するはずがありません。職務記述書は常に見直し、社員がさらに成長するようにしましょう。

松本順市 (まつもと・じゅんいち)
ENTOENTO代表
1956年福島県生まれ。学生時代からアルバイトをしていた魚力に、中央大学大学院中退後に入社。社長の参謀役として労働環境改善に取り組み、業界初のサービス残業ゼロ、完全週休2日制を実現。社員の成長を支援する人事制度を構築し、東証2部上場(現在は1部)を達成する原動力となる。93年に独立し、中堅・中小企業を中心に人事制度の指導・支援を展開する。2021年5月17日現在で1306社の人事制度を構築した

(この記事は、「日経トップリーダー」2021年7月号の記事を基に構成しました)

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人事制度がものを言う時代
社員の採用・育成・定着を実現する
 『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』<br />著者:松本順市<br />出版社:日経BP<br />価格:1760円(10%税込み)
『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』
著者:松本順市
出版社:日経BP
価格:1760円(10%税込み)

小社ではこのほど、松本順市氏の著書『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』を発行しました。欧米発の「ジョブ型雇用」が大きな注目を集めていますが、人事制度のトレンドに左右されず、真に社員と企業の成長に寄与する評価・賃金の仕組みとは、どのようなものか。中小企業も大企業も、改めて人事制度を再構築するときです。豊富な事例とともに、あるべき姿を提示します。

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

ウェビナー開催 成田悠輔×安田洋祐 激論!「ビジネス+経済学」

 米グーグルなど最先端企業で経済学者の採用が相次いでいます。最新の経済学は様々なビジネス活動を遂行する根拠となり、確実性を高めることが実証されています。一方、日本に目を向けてみれば、仕事場でも「本当は防げる失敗」が繰り返されているのが実情です。

 日経ビジネスLIVEは日経BOOKプラスと共同で、7月19日(火)20:00~21:00に「気鋭の経済学者が激論『経済学はビジネスに役立つか?』」と題して、ウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは米イェール大学助教授の成田悠輔氏と大阪大学大学院准教授の安田洋祐氏。本当に役立つ経済学を、ビジネスに取り入れるにはどうすればいいか。経済学の活用を通じて企業はどんなメリットを得られるのか。気鋭の経済学者による議論をお届けします。

■開催日:2022年7月19日(火)20:00~21:00(予定)
■テーマ:成田悠輔×安田洋祐 気鋭の経済学者が激論「経済学はビジネスに役立つか?」
■講師:米イェール大学助教授・成田悠輔氏、大阪大学大学院経済学研究科准教授・安田洋祐氏
■モデレーター:エコノミクスデザイン共同創業者・代表取締役・今井誠氏
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料(事前登録制、先着順)。

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