評価の甘辛を解消

「期待成果を数値で記すのは難しい」と言う経営者もいますが、数字がないと「甘辛評価(評価者によって甘い、辛いが分かれること)」が出ます。5000万円は、誰がどう見ても5000万円。「私から見たら3000万円だ」ということはない。それが数字があることの強さです。数字に基づいて評価し、社員が5段階の2点の評価なら、3点になるように指導する。
「人事部など間接部門の成果は数値化できない」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。先ほどのように人事制度の見直しにより労働分配率を下げれば、数字に表れます。どんな業界・職種であっても、成果は必ず数値で表すことができます。
そして毎年、社員と話し合って、より良い期待成果を表す要素がないかを検討するようにします。変化の激しい時代なのですから、何年も同じ期待成果を掲げているほうが不自然です。
ある大手企業の人事担当者が「職能資格基準を持っている」と言うので詳しく話を聞くと、10年前に作ったもので驚いたことがあります。聞けば、売り上げは10年前の5倍以上。それほどまでに会社が成長しているのに、10年前の評価内容が今もそのまま通用するはずがありません。職務記述書は常に見直し、社員がさらに成長するようにしましょう。
ENTOENTO代表
(この記事は、「日経トップリーダー」2021年7月号の記事を基に構成しました)
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社員の採用・育成・定着を実現する
小社ではこのほど、松本順市氏の著書『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』を発行しました。欧米発の「ジョブ型雇用」が大きな注目を集めていますが、人事制度のトレンドに左右されず、真に社員と企業の成長に寄与する評価・賃金の仕組みとは、どのようなものか。中小企業も大企業も、改めて人事制度を再構築するときです。豊富な事例とともに、あるべき姿を提示します。
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ウェビナー開催 成田悠輔×安田洋祐 激論!「ビジネス+経済学」

米グーグルなど最先端企業で経済学者の採用が相次いでいます。最新の経済学は様々なビジネス活動を遂行する根拠となり、確実性を高めることが実証されています。一方、日本に目を向けてみれば、仕事場でも「本当は防げる失敗」が繰り返されているのが実情です。
日経ビジネスLIVEは日経BOOKプラスと共同で、7月19日(火)20:00~21:00に「気鋭の経済学者が激論『経済学はビジネスに役立つか?』」と題して、ウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは米イェール大学助教授の成田悠輔氏と大阪大学大学院准教授の安田洋祐氏。本当に役立つ経済学を、ビジネスに取り入れるにはどうすればいいか。経済学の活用を通じて企業はどんなメリットを得られるのか。気鋭の経済学者による議論をお届けします。
■開催日:2022年7月19日(火)20:00~21:00(予定)
■テーマ:成田悠輔×安田洋祐 気鋭の経済学者が激論「経済学はビジネスに役立つか?」
■講師:米イェール大学助教授・成田悠輔氏、大阪大学大学院経済学研究科准教授・安田洋祐氏
■モデレーター:エコノミクスデザイン共同創業者・代表取締役・今井誠氏
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料(事前登録制、先着順)。
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