昇給・賞与に連動しない

 IT人材に新規事業を任せることも多いでしょう。このときに注意点があります。経営者の中には「誰も新規事業をやりたがらないんだよ」と愚痴を言う人がいますが、詳しく話を聞いてみると新規事業に失敗した場合、給料や賞与を減額している会社が多い。

 新規事業は1勝9敗といわれます。失敗する確率のほうが高いのです。「挑戦したいけれど失敗して賞与が半分になったら困る」と考えて、二の足を踏むのは当たり前。減給のリスクを負ってまで、挑戦する社員は少数派です。

 私は魚屋に勤めていた頃、寿司事業の新規立ち上げに携わりました。新規事業担当の部長として、私は社長にお願いしました。「新規事業に失敗して賞与が減額になったという噂が社内に流れたら、この後、誰も新規事業に手を挙げなくなります。寿司事業を立ち上げてから1年間は、評価点(成長点数)が下がっても、昇給・賞与には連動させないでください」。

 社員がチャレンジしないと悩んでいる経営者は一度、社員の立場で人事制度を見つめてみましょう。IT人材に存分に力を発揮してもらうためにも、期待する成果を具体的に示しつつ、減給などのリスクはなくすことがポイントです。

(この記事は、「日経トップリーダー」2021年7月号の記事を基に構成しました)

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人事制度がものを言う時代
社員の採用・育成・定着を実現する
『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』<br />著者:松本順市<br />出版社:日経BP<br />価格:1760円(10%税込み)
『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』
著者:松本順市
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小社ではこのほど、松本順市氏の著書『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』を発行しました。欧米発の「ジョブ型雇用」が大きな注目を集めていますが、人事制度のトレンドに左右されず、真に社員と企業の成長に寄与する評価・賃金の仕組みとは、どのようなものか。中小企業も大企業も、改めて人事制度を再構築するときです。豊富な事例とともに、あるべき姿を提示します。

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

ウェビナー開催 成田悠輔×安田洋祐 激論!「ビジネス+経済学」

 米グーグルなど最先端企業で経済学者の採用が相次いでいます。最新の経済学は様々なビジネス活動を遂行する根拠となり、確実性を高めることが実証されています。一方、日本に目を向けてみれば、仕事場でも「本当は防げる失敗」が繰り返されているのが実情です。

 日経ビジネスLIVEは日経BOOKプラスと共同で、7月19日(火)20:00~21:00に「気鋭の経済学者が激論『経済学はビジネスに役立つか?』」と題して、ウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは米イェール大学助教授の成田悠輔氏と大阪大学大学院准教授の安田洋祐氏。本当に役立つ経済学を、ビジネスに取り入れるにはどうすればいいか。経済学の活用を通じて企業はどんなメリットを得られるのか。気鋭の経済学者による議論をお届けします。

■開催日:2022年7月19日(火)20:00~21:00(予定)
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