埼玉県を中心に首都圏でリフォーム工事を手がけた。 一時は株式上場を目指し、ファンドからも注目されたが、収益性に難を抱え続け、資金繰りに行き詰まった。

シマックス本社の入り口には民事再生法の適用申し立てを告げる書面が貼られていた
シマックス本社の入り口には民事再生法の適用申し立てを告げる書面が貼られていた

 3月31日、リフォーム工事業を主体とするシマックス(埼玉県川口市)は民事再生法の適用を東京地裁に申請した。負債総額は約25億円。2020年1月期の売り上げは約41億円だった。

 直近数年は毎年売上高を伸ばしており、最終利益も計上していた中での倒産だった。外から見ると順調そうだった会社の内側では、資金繰りに苦しむ経営が続いていた。16の金融機関から計21億円を超える借り入れがあり、金利負担だけで毎年4000万円前後を支払っていた。

 民事再生法の適用申請が寝耳に水だった関係者が多い中、「今年初めに支払い遅延があり、もしかしたら倒産するのかもと感じていた」とある債権者は語る。

ディスカウント店で起業

 シマックスは2004年に、島村篤社長が創業した。もともとマンションやビルに防水加工を施す職人として独立していた島村氏が、システムキッチンや壁紙など、リフォーム関連資材のディスカウントストアを始めようと起業した。

 メーカーから直接仕入れることで、価格を抑えて一般消費者に販売することを強みとしていた。

低価格でのリフォームを強調
シマックスのホームページ
<span class="fontSizeL">低価格でのリフォームを強調</span><br>シマックスのホームページ
シマックスのホームページでは、独自の仕入れルートにより、低価格でのリフォームができる点を強みとして紹介している

 店舗を構えて一般客を中心に販売した製品は、シマックスが提携する工務店や職人を手配し設置するという事業モデルだった。創業から3年の間に東京都と埼玉県に6店舗をオープンさせた。

 店舗網の拡大に伴い、シマックスの提携先は個人経営の職人を含めて数百社に達し、業界内では有力な立場にあった。ある債権者は同業者から「シマックスという大きな傘がある」と紹介されて、シマックスとの取引を15年にわたり続けてきた。

出店と撤退を繰り返していた
シマックスの沿革
<span class="fontSizeL">出店と撤退を繰り返していた</span><br>シマックスの沿革
出所:帝国データバンクの資料などを基に本誌作成
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 07年には埼玉りそな銀行が主体の投資ファンドがシマックスに6000万円を出資している。埼玉県内の成長企業として、上場予備軍と目されていた。当時の新聞記事によれば、09年の株式上場を見込んでいたとされる。

 しかし、店舗経営は順調ではなかった。出資を受けた07年頃から出店だけでなく、撤退も目立ち始めた。07年だけで埼玉県内の3店舗を閉鎖・統合している。

 背景にはホームセンターなどとの価格競争に加え、インターネット通販の普及があると、同業者の役員は指摘する。

 以前は、日曜大工を趣味とし、自力で壁紙を貼れるような人でも、壁紙などの資材はホームセンターなどで買うしかなかった。しかし、最近はメーカーがウェブ上でデジタルカタログを公開するケースも多い。

続きを読む 2/3 競争力低下し閉店増える

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