水質改善、大気汚染対策などに欠かせない多様な工業薬品の製造販売を手がける。塗料販売で創業し、環境事業を拡大。遺体衛生保全用の薬剤など新分野にも取り組む。顧客の抱える「ペイン」(痛み、困り事)に対応できる直接配送が強みの1つだ。

殺菌消毒に使われる次亜塩素酸、トラック物流に必須の尿素水と、昨今の社会事情で重要度が高まった薬品を多く扱っている印象です。製品の売り上げではどのような構成比率ですか。
嶋田:最も大きいのが次亜塩素酸で、プールや入浴施設向けが多く、2番目が尿素水で、トラックだけでなくディーゼル燃料を使用する大型設備向けです。
これらは民間向けで、行政向けでは水道局や清掃工場向けの活性炭が最も多くなっています。
水、土壌、空気と、環境関連事業をどのような経緯で広げてきたのですか。

嶋田:当社はもともと塗料の販売店として1928年に創業しました。2代目である先代社長の時に、廃水処理用の薬品の取り扱いを始めました。
その後、食品添加物の製造許可を取り、体に入る水の殺菌消毒用薬品の取り扱いを始めました。水道水やプールの水、おしぼりなどに使われ、よく「塩素」と呼ばれている次亜塩素酸です。
2001年に私が入社してから、汚染土壌処理向け薬品を始めました。その後、大気汚染対策の新ビジネスとして11年に始めたのが尿素水です。
ディーゼルエンジンを動かしたときに生成される窒素酸化物に尿素水を吹き付けて窒素と水に分解し、大気中への排出を防ぎます。大気汚染防止法の排出規制が年々厳しくなり、尿素水の市場が急速に大きくなりました。
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