(写真/鈴木愛子)
(写真/鈴木愛子)

 孔子と弟子の言行をまとめた『論語』を日本人が初めて知ったのは513年とされている。百済(くだら)より五経博士(ごきょうはかせ)が渡来して伝えた。何と仏教伝来よりも早いのである。そして、聖徳太子が日本初の憲法である「十七条憲法」を制定したのがさらに後の604年。その第一条が次の一文である。

 和をもって貴しとなし
 忤(さから)うことなきを宗(むね)となす

 「やわらぎ(和)を大事にして、人といさかいをしないように心がけること」という意味になる。冒頭に“和”を説いているのは、当時も意見を1つにまとめることが大変だったからだろう。あらゆる組織で大変なのは、時代の変化の中でどう行動指針を打ち立て運用していくかという点である。構成員の一人一人が、生まれ育ち、知識、経験が違う中での合意を目指すことは、言うは易し、行うは難しである。

 平時ならともかく、激変期においては、個人も企業も生き抜くための“よすが”をどこに求めるかが問われてくる。『論語』にこんな言葉がある。

 君子は義に喩(さと)り
 小人は利に喩る

 「君子たるリーダーは、どのようなときであっても、広い視野と知見で、正道をわきまえて行動する。一方、一般庶民は、どうしても目先の利益に振り回されてしまう」

 孔子に言わせると、目先の利益で動く人は、それだけでリーダーとして不適格である。

 ところが個人も企業も利益は必要である。では、利益を生み出す源泉はどこからくるのかというと、人や組織の持っているサービスや商品への信用・信頼から生まれる。顧客がそれによる対価を支払うことで利益が生ずるのだ。

 個人であっても、その場の立ち回りばかりを気にして信用・信頼づくりを軽視すると、後でとんでもないツケが回ってくる。

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