炭素税導入も検討

<span class="fontBold">太陽光に次いで洋上風力も再エネの次の柱と注目を集める</span>(写真/ロイター/アフロ)
太陽光に次いで洋上風力も再エネの次の柱と注目を集める(写真/ロイター/アフロ)

 例えばEUは、環境対策が十分ではない国からの輸入品に関税などの負担を課す国境調整措置を23年までに導入することを決めている。米国は方針を決めていないものの、これが広がれば世界に拠点を持つグローバル企業には打撃となるだけに、世界で脱炭素の体制を整えて対応力を高めておく必要がある。

 さらに日本では、CO2を排出した企業や家庭に課す炭素税導入も検討されている。日本では既に「地球温暖化対策税」が12年に導入されているが、排出量当たりの税額が欧州よりもはるかに低いため、新税導入か温対税の引き上げの議論が出てきている。CO2の排出量に価格を付けるカーボンプライシングの1つである。

 ソニーばかりではない。日立製作所は今年2月、30年度までに省エネに600億円、再エネの購入に240億円を充てる環境戦略を発表した。1973年の第1次石油危機以後、省エネでは世界の先頭を行くとされてきた日本だが、最近はその優位も薄れつつある。

 「工場設備などの高効率化や運用方法の刷新」(日立)などで改めて省エネに力を注ぐ。30年にCO2を50%(10年比)削減するという。

 内需型企業も取り組みを本格化している。カルビーは今年2月、サントリーホールディングスなどが設立した廃プラスチックの再資源化に取り組むアールプラスジャパン(東京・港)に資本参加した。アール社には、カルビーの他、セブン&アイ・ホールディングスなど計20社が参画している。

 同社は米スタートアップのアネロテックの技術を使い、27年に約20万トンの廃プラを処理する工場を稼働させる計画。この技術は従来の再生技術と異なり、多様な種類の廃プラを直接原料に戻し、温暖化ガスの排出やエネルギーの抑制につながるという。

 カルビーはこの効果分を含め、石油から新たに作られるプラスチックを使用した包装容器を30年度までに18年度比で半減する計画も打ち出している。

 包材、プラスチック業界には中小企業も多い。経営への影響はこれからが本番だ。

<span class="fontBold">カルビーは宇都宮市の工業団地にある自社工場で他社の工場と共に省エネ効果の大きいコジェネレーションシステムを導入した</span>(写真提供/カルビー)
カルビーは宇都宮市の工業団地にある自社工場で他社の工場と共に省エネ効果の大きいコジェネレーションシステムを導入した(写真提供/カルビー)

(この記事は、「日経トップリーダー」2021年6月号の記事を基に構成しました)

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