燃料費、物流費から始まり、あらゆるコストが上がり続けている。中小企業経営者は値上げ局面にどう対処しているのか。アンケートから見る実態と、必要な対策や戦い方を探る。

(写真/PIXTA)
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・複数コスト上昇でも「値上げ難しい」が半数 中小企業100社調査
・価格上昇期の対策はコスト管理ではなく「値上げ」(6月7日公開)
・中期を見据えた価格交渉 プロセス見直しコスト耐性上げる(6月8日公開)

 4月の国内企業物価指数の上昇率(速報値)は前年同月比10.0%と過去最高に達した。一方で消費者物価指数(総合)の上昇率は前年同月比1.2%。その差は流通の過程で無数の企業努力によって吸収されていることは明らかだ。

 日経トップリーダーが実施した中小企業の経営者を対象にしたアンケートでは「既に値上げを実施した、または値上げを予定している」が約4割。一方で、「値上げをしたいが難しい」とみている経営者が47%にも上る。

 「コロナ禍による売り上げの落ち込みからまだ回復途上なのに」と嘆く経営者もいるが、この半年内のコスト上昇で局面は完全に変わった。固定費を削るといった売り上げ不振時の対策は通用しなくなっている。

 「お客様は神様じゃない。信頼できる取引先には思い切って、これまでの取引価格では品質を維持できる適正な利益が得られていないと伝えた」。ある製造業の経営者はこう言う。

 本記事ではまず、コスト上昇局面における中小企業の「値上げ」の実態を見る。第2部で財務から見た取るべき対策を、第3部で具体的な「戦い方」を探る。

【 調査の概要 】
【 調査の概要 】
資本金1億円未満の企業の経営者を対象に2022年4月28日~5月9日、パイルアップによるウェブ調査を実施。有効回答数は100
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