全世界的にコロナ危機に見舞われている。影響の範囲や収束の時期は誰も正確には見通せない。たとえ事態が収まっても、これまでと同じビジネスモデル、組織マネジメントの手法は恐らく通用しないだろう。「日経トップリーダー」では4月22日、「プラチナフォーラム2020」をオンラインで配信。メガネスーパーの星﨑尚彦社長がV字回復までの道のりを振り返りつつ、アフターコロナの時代にいかに戦っていくかを語った。

ほしざき・なおひこ
1966年生まれ。早稲田大学卒業後、三井物産に入社。スイスにあるビジネススクール、IMDでMBA取得後、フラー・ジャコー、ブルーノマリなど外資系企業の日本法人トップを務める。2011年からはアパレルメーカー、クレッジの経営再建に手腕を発揮。13年6月メガネスーパーに入社、同年7月から現職。8期連続赤字からのV字回復を果たす

強い会社にすることが経営者の使命

 社長業を始めて21年、これまで何度も修羅場を経験してきました。いい会社、強い会社にしていくことが我々経営者の使命だと思っています。

 では、いい会社の条件とは何でしょうか。働く人にとっては雇用の継続、生活向上を実現してくれる、世の中にとっては社会貢献をしてくれる企業こそ、いい会社になると思います。

 一方、強い会社の条件を考えると、さまざまなものが考えられます。利益を生み出すビジネスを持っており、それでいて変化対応力が高いことが1つ。まさに今回のような非常事態に合わせてビジネスモデルを変えられるかが問われます。また、手持ちキャッシュが多いかも強い会社の条件です。僕自身、社員の給料が払えないという局面を経験したことがあるので、この重要性が身に染みています。

 それから安定株主がいるかどうか。目先の利益だけにとらわれず、会社として比較的落ち着いていろいろなことができます。そして、会社が好きな社員、あるいは会社にとって大事な社員がどれぐらいいるかも重要です。

 いい会社であり続けるためには、強い会社でなくてはならないということです。

槍が降っても利益を出す

 僕がメガネスーパーに来たとき、会社は最悪の状態でした。格安眼鏡チェーンの台頭に対抗しようと、強みだった技術力を手放し、低価格競争に自ら身を投じていたからです。ピーク時の2007年4月期に382億円あった売り上げは、僕が社長に就任した13年には159億円まで落ち込み、債務超過に陥っていました。

 当時、ファンド主導で経営改革を進めていたものの事態は好転せず、社内の士気は下がっていくばかり。そうした中、僕は「メガネスーパーを100年続く会社にしよう」「槍が降っても利益を出せる会社にしよう」を合言葉に、改革を進めていきました。

続きを読む 2/4 孤独な経営者にならない

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