バブル崩壊後、顧客満足(CS)という言葉が広まった。コロナ後の社会では、その先のステージに向かうだろう。顧客満足を超える「顧客幸福(カスタマー・ハピネス、CH)」だ。精神面の幸福度を高めるには、どんな経営が必要か。4人の経営者の思考から、顧客幸福経営を学ぶ。

<特集全体の目次>
・1時間目 MBAでも人気の幸福論とは
 藤木哲也 家いちばCEO「喜びと意義の同時体験で幸福になる」

・2時間目 幸福論を経営に組み込もう
 佐々木敏行 FAR EAST社長「主体的な行動が満足度と幸福を大きく高める」

・3時間目 幸せを可視化する取り組み
 柳澤大輔 面白法人カヤックCEO「ユニークな地域通貨でまちの幸福度を上げる」

・4時間目 BtoB企業の幸福追求を考える
 暮部達夫 アルデバラン社長「顧客企業のゴール実現まで伴走する」


4時間目 BtoB企業の幸福追求を考える
暮部達夫 アルデバラン社長「顧客企業のゴール実現まで伴走する」

幸福は個人を念頭に語られることが多いが、顧客が企業など組織の場合はどうなのだろう。例えば既存の取引関係を超え、顧客企業の成長に伴走するのも幸福経営の1つの姿と言えるのではないだろうか。化粧品OEM・原料卸のアルデバラン(大阪市)は全国の地域化粧品の作り手をサポートし、目標の実現まで支援する。

くれべ・たつお
1972年奈良県生まれ。母・暮部恵子氏が創業した化粧品メーカー、クレコスに入社、2017年より社長。10年にアルデバランを設立。化粧品原料の調達やOEM(相手先ブランドによる生産)に加えて商品企画、ブランディング、マーケティング支援なども行う。これまでに手がけた顧客のプロジェクトは全国に約50
(写真/宮田昌彦)

 石油原料などを使わず、安全性や環境面に配慮したオーガニック化粧品。その草分けとも言える化粧品メーカーがクレコス(奈良市)だ。化粧品の販売業務に携わっていた暮部恵子氏(現会長)が「娘に安心して使わせられる化粧品を作りたい」と1993年に創業。息子である暮部達夫氏が2017年に社長を継いだ。

 当初は国産オーガニック原料の仕入れ先はほとんどなく、取引先を1件ずつ開拓して調達した。

 「熊本の農家を訪ね、そこで採集しているヘチマ水を熊本の化粧品会社で原料にしてもらったのが最初です。その次に作ったのが、米ぬかを地元奈良の酒蔵に持ち込んで仕込んだ米ぬか発酵エキス。自分たちでもできると分かり、あちこちの農家を開拓して原料化のノウハウや生産者との付き合い方を勉強しました」(暮部社長)。

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