新型コロナウイルスによる外出自粛などが続いて商品が売れないと悩む中小企業が増えている。需要が急減している中で生き残るには、自社の目指すビジョンや商品のコンセプトなどを見直し、分かりやすく発信して自社のファンを増やす「リブランディング」が重要になる。

 リアル、オンラインの両方で始まる、コロナ後の顧客獲得の大競争で、頭一つ抜け出すにはどうすればよいのか。ブランド力強化を支援してきたコンサルタント、リブランディングに成功した企業の事例から考える。


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・インテリアになじむ洗剤で売価4倍 デザイン展で販路開拓
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インテリアになじむ洗剤で売価4倍 デザイン展で販路開拓
CASE3 木村石鹸工業 木村祥一郎 社長

木村社長は独自ブランド立ち上げ後、製品開発の仕組みを改め、社長を説得できれば誰でも開発に着手できる体制をつくった(写真/大亀京助)
木村社長は独自ブランド立ち上げ後、製品開発の仕組みを改め、社長を説得できれば誰でも開発に着手できる体制をつくった(写真/大亀京助)

 木村石鹸工業(大阪府八尾市)は1924年創業。銭湯の浴槽を洗う業務用洗剤やクリーニング向けの洗剤で成長してきた。昔ながらの製法に注目した生協から、90年代に家庭用洗剤を企画してほしいという話が舞い込んだ。それ以降は、家庭用洗剤が売り上げの7割を占める。

インスタ映えする洗剤

 しかし、木村祥一郎社長がウェブ運用支援の仕事を辞め、家業に戻った2013年頃には売上高7億円、営業利益はほぼゼロという状況に追い込まれていた。

 洗剤の原料が高騰したものの、納入先には値上げが認められなかった。しかも、ネット通販にもお客を奪われるようになった。

 どうすれば製品の価格を引き上げられるか。木村社長は前職の経験を生かして、ネット上の情報を分析。特に女性が多く使いそうな写真投稿SNSの「インスタグラム」を調べてヒントを見つけた。

 洗浄力が高い洗剤はあっても、安全・安心かつ“インスタ映え”しそうな商品はなく、水回りのインテリア写真を投稿する人は既製の洗剤を自分で用意したボトルに詰め替えて撮影していたのだ。

 そこで、木村社長は15年に自社ブランドの「SOMALI(そまり)」を立ち上げた。90年前から続ける昔ながらの釜焚き(かまたき)製法で作った商品であることを強く打ち出し、それを表現するために、自然派の化粧品に多いシンプルなデザインのボトルに詰めた。従来手がけたOEM(相手先ブランドによる生産)の製品は300円程度だったが、SOMALIは1200円と4倍の価格を付けることにした。

新ブランドで価格アップ
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インテリアショップ、雑貨店向けにつくった洗剤の独自ブランド「SOMALI」。ボディ用や台所・浴室用などをそろえる(写真/大亀京助)

 OEMビジネスに慣れている社内は、500円程度でないと売れないという見方が大勢だった。なかなか理解を得られない中、賛同してくれた商品企画の社員2人だけに協力をしてもらいながら、開発を推進した。

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