新型コロナウイルスによる外出自粛などが続いて商品が売れないと悩む中小企業が増えている。需要が急減している中で生き残るには、自社の目指すビジョンや商品のコンセプトなどを見直し、分かりやすく発信して自社のファンを増やす「リブランディング」が重要になる。

 リアル、オンラインの両方で始まる、コロナ後の顧客獲得の大競争で、頭一つ抜け出すにはどうすればよいのか。ブランド力強化を支援してきたコンサルタント、リブランディングに成功した企業の事例から考える。


(写真/大亀京助、尾関裕士)
(写真/大亀京助、尾関裕士)
・中川政七商店 中川会長「コロナ後はブランドの重要性が増す」
・堀田カーペット 堀田将矢社長(6月10日公開)
・アイティオール 鹿島雄介 社長(6月11日公開)
・木村石鹸工業 木村祥一郎 社長(6月12日公開)
・アジャイルメディア・ネットワーク上田怜史社長CEO(6月15日公開)
・セミナー再録:イドム 小出宗昭社長/岡崎ビジネスサポートセンター長・秋元祥治氏(6月16日公開)
・イドム 小出社長に聞く「オンリーワンになるヒント」(6月17日公開)


ブランドとは自社のビジョンそのもの
中川政七商店 十三代 中川政七 会長

コロナ後にはどんなブランド戦略が重要になるのか。生活雑貨の企画・製造・販売、中小企業の経営コンサルティングを手がける、中川政七商店の中川政七会長にその考え方を聞いた。

<span class="fontBold">なかがわ・まさしち</span><br> 1974年生まれ。京都大学法学部卒業後に富士通を経て、2002年に中川政七商店入社。08年に13代社長に就任。18年会長。「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、工芸品メーカーなど業界特化型の経営コンサルティングを手がけ、全社では30社以上を支援した
なかがわ・まさしち
1974年生まれ。京都大学法学部卒業後に富士通を経て、2002年に中川政七商店入社。08年に13代社長に就任。18年会長。「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、工芸品メーカーなど業界特化型の経営コンサルティングを手がけ、全社では30社以上を支援した

 5月11日現在、中川政七商店(奈良市)の売り上げの8割を占める直営店はすべて閉まっています。新型コロナウイルスによる業績への影響は大きいと言えます(6月3日に直営全店で営業を再開)。

 ただ、直営店の売り上げはゼロでも、EC(ネット通販)は約3倍に伸びました。食料品はまだしも、ふきんや食器といった生活雑貨がこれほど伸びるとは思いませんでした。在宅時に快適に過ごしたいと考えたお客様が当社を思い浮かべてくれたのかもしれません。

 ブランドとは、商品とか会社にプラスをもたらすイメージのこと。数字で測れるようなものではなく、お客様の頭の中にあるイメージをポジティブにする活動がブランディングです。

 例えば、講演で「ユニクロはブランドですか」と尋ねると、最近は7割ほどの方の手が挙がります。頭に思い浮かべたのはユニクロの商品だけではないでしょう。店舗での体験、CM、柳井正会長兼社長のインタビュー記事、それらを総合してポジティブなイメージが一定以上になると、ブランド価値がある状態と感じるのです。

 今は中小企業も、お客様の頭の中にある自社のブランド価値をいかに上げるか、その価値はどんな要素で構成されているかを理解した上で商売をする時代なのです。

続きを読む 2/3 ブランドとデザインは別

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