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(写真/PIXTA)

 外出自粛要請によって、大企業だけでなく、中小企業も在宅勤務にシフトした。中小企業は、在宅勤務にどこまで対応できているのか。

 特集では、住宅業界、製造・建設業界の取り組みをそれぞれ取材した。ネット環境の充実といった目先の対応だけでなく、テレワーク時代に即したビジネスモデルに踏み込む中小企業が現れている。

・電子見積もりや無人モデルハウス、在宅化で変わる中小住宅業の営業
・ビデオ会議やチャット導入 中小製造・建設業の「現場」も変革へ
・テレワーク社員の人事評価は、通常の評価と何を変えればいい?



製造現場、建設現場といった「現場」は基本的に在宅勤務ができない。ただし、社員が一部の仕事を自宅でこなすなど、企業は工夫を始めている。生産管理や現場管理など管理業務では、ビデオ会議システムが広まってきた。

横引シャッター
「在宅勤務をしたがらない社員の説得に苦労しました」

「34人の全社員と個別面談をして、コロナ下での働き方を決めた」と話す市川社長(写真/菊池一郎)

 製造業や建設業は、工場や施工場所といった現場があるため、完全な在宅勤務は難しい。限られた範囲の中で、試行錯誤をしながら対応しているのが実情だ。

 駅売店向けなど、横に開閉するシャッターを製造している横引シャッター(東京・足立)。市川慎次郎社長は4月7日、東京が緊急事態宣言の対象になったことを受け、働き方を変えることを決断した。

 「34人いる全社員と個別に面談し、外出自粛に伴う働き方を3種類の中から選んでもらうことにした」(市川社長)。(1)在宅勤務、(2)フレックスタイム制(時差出勤もしくは時短勤務)、(3)週休3日以上──の3つだ。

 「最初の個別面談では、仕事一筋の真面目な社員が多いせいか、ほぼ全社員が『今まで通り出社したい』と答えた。そこで再度面談し『感染拡大防止のために接触機会を減らすことは不可欠だから、協力してほしい』と説得。3つの働き方のうち、いずれかを何とか選んでもらった」と振り返る。