
Q.資金繰りに窮して、倒産の憂き目に。失われた売り上げをいかに取り戻したのか。
A.顧客の声に耳を傾け、ヒット商品を開発
サイエンスの代表的製品は、「ファインバブル」と呼ばれる微細な気泡で汚れを洗い流すシャワーヘッド「ミラブルplus」です。女性の頬に油性ペンで描かれた黒い線がシャワーの水を当て、軽くこするだけで落ちていくテレビCMに見覚えがある方もいるかもしれません。

ミラブルは、お客様の声から生まれた製品です。当社は創業以来、水に関わる製品を開発してきました。
その1つが、2010年に発売した「マイクロバブルトルネード」です。これは浴槽内に0・003ミリの微細な気泡を発生させる装置で、お湯に浸かるだけでミクロの泡が肌の老廃物を取り除くので、肌がつややかになります。
ミラブル開発のヒントになったのは、14年にマイクロバブルトルネードの顧客を対象に実施したアンケートでした。回答を読むと、微細な気泡を顔や髪にまで行き渡らせるべく、湯船に顔をつけたり、髪を浸したりしている女性ユーザーが何人もいたのです。
ならばと、最初はマイクロバブルトルネードの技術を組み込んだ美顔器を開発しようと思いました。ただ、いざ試作してみると美顔器はどうも使い勝手が悪い。美顔器を出してきて、コンセントを差し込み、水を入れる……と結構な手間がかかるのです。
ではどうするか。浮かんだのは「毎日使うシャワーヘッドを美顔器にしてしまう」という発想でした。こうしてミラブルを18年に発売。テレビの情報番組で取り上げられたことやユニークなテレビCMが起爆剤となり、人気商品になりました。シャワーヘッドは年間10万本売れたら大ヒットと言われる中、ミラブルは発売から約3年間で80万本を売り上げたのです。
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