
1986年愛知県出身。大学卒業後、2009年、物語コーポレーション入社。主に店舗運営、業態開発業務に携わる。業態開発本部本部長兼開発企画・デジタルマーケティング部部長、副社長などを経て、20年9月社長に就任。物語コーポレーションは1949年創業。「焼肉きんぐ」「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」など16業態、国内外に576店を展開する東証1部上場の外食チェーン。従業員数は約1万9000人。2021年6月期の売上高は678億円(見込み)
Q.コロナ禍の真っただ中、異例の抜擢により国内外で576店を運営する外食チェーンのトップに。苦境にあえぐ飲食業界で35歳の新社長はどう戦ったか。
A. 自分の頭の中身を開示し、言葉で説明する
昨年5月1日、次期社長就任を伝えられました。当時、1回目の緊急事態宣言の発出で、直営の全302店は一時休業中。会社は大変な時期だったし、僕はその時点では本部長職で役員ですらなかったものの、「やります!」と即答しました。やるかやらないかの二択なら、やる。できない理由よりできる理由を探そうと思ったのです。
そして副社長を経て、昨年9月、僕は34歳で社長になりました。役員メンバーは全員年上です。新卒で入社して10年ほどの僕がなぜ選ばれたのか。それは、物語コーポレーションに若手の抜擢(ばってき)を可能にする土壌があったからでしょう。
当社の場合、自分から発信する機会がとにかく多い。例えば、年齢、役職に関係なく、誰でもほとんどの会議に参加できます。
若手社員が、社長や経営幹部が集まる会議に参加して、改善の提案をしたり、成功例をプレゼンテーションしたりといったことが当たり前にあります。
加えて、意見があればいつでもメールで全社員に発信できるようにもなっていて、社長に物申す社員もたくさんいます。
こうした風土があると、優秀な人材を見つけやすく、かつ社員はその場で幹部から指摘や助言をもらえるので成長が早いのです。
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