化粧品のOEMから独自ブランドの化粧品の製造販売に転換、成長した。創業の地、北海道砂川市のまちづくりプロジェクトを始動、10年かけて取り組む。

独自の素材を生かして開発するスキンケアやメークアップ製品など。約70種類の素材が店舗にディスプレーされている(東京・表参道本店)
独自の素材を生かして開発するスキンケアやメークアップ製品など。約70種類の素材が店舗にディスプレーされている(東京・表参道本店)

 化粧水やオイルなどのスキンケア製品、メークアップ製品、フレグランスや生活雑貨。「SHIRO」のブランドで製品を展開するシロ(東京・港)の直営店舗には幅広い層の客が訪れる。女性だけでなく、若い男性が連れ立って商品を選ぶ姿もある。

 併設のカフェ(3店舗)では、スキンケアやメークアップ製品に使われている素材を使ったメニューも提供する。

 シロの近年の成長は著しい。ブランド名を一新した15年頃から伸びが加速し、21年6月期の売上高は前年比約60%増の133億円。22年6月期は前年比12%増を見込んでいる。

 着実にファンを増やし続けている理由はどこにあるのか。

 シンプルなデザインから一見、外資系メーカーのような印象も受けるが、生産拠点は北海道砂川市の自社工場。ここでほとんどの製品を製造する。

 地域密着の企業だった同社は、ものづくりで2度の転換を経て全国区になり、海外にも進出した。ブランド展開をさらに進める一方で、現在は創業の地のまちづくりにも携わる。

 地域から世界へ、そして再び地域に回帰するシロの成長の過程を追った。

次ページ 素材を自ら探す