借り入れを極力少なくし、自己資本比率を高める──。これは、企業経営を安定させる王道の考え方だ。小野写真館の戦略はこのセオリーに完全に反している。にもかかわらず、成長と安定を両立させている。小野哲人(てつんど)社長に、数字と手法をとことん開示してもらった。

(写真/PIXTA)
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茨城県ひたちなか市にある小野写真館の本店。小野社長が継いだ頃は、七五三から結婚式の前撮り、地元の学校行事の撮影までを1店でこなす、町の写真屋さんだった
茨城県ひたちなか市にある小野写真館の本店。小野社長が継いだ頃は、七五三から結婚式の前撮り、地元の学校行事の撮影までを1店でこなす、町の写真屋さんだった

 小野写真館は茨城県ひたちなか市に本社を置き、写真スタジオなどを運営している。同社の自己資本比率は直近の2021年9月期で6.2%。売上高対借入金比率は91.3%に達する。それでも高い利益率を記録し、金融機関からも評価されている。

 小野哲人(てつんど)社長の表現によれば、こうした「汚いバランスシート」と引き換えに、21年9月期末時点で、小野写真館は9億2884万円の現金を持ち、営業利益率は10.4%を達成した。小野社長が重視する、営業利益と減価償却費を合わせた売上高EBITDA(イービットディーエー)率は16.7%だ。

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