経験豊富な税理士が見た「社長!それやめませんか?」と言いたくなる現場。ここでは、そんな現場体験の中から、4つのストーリーを紹介する。

<特集全体の目次>
・第1話 社長! そんなに借金を怖がっていると大チャンスを見逃しますよ
・第2話 社長! やたらと銀行の支店長に会いに行くのはやめましょう
・第3話 社長! 経理部長に頼り過ぎるのはやめませんか
・第4話 社長! 説教タイムが続く会議は改善しませんか
第2話 社長! やたらと銀行の支店長に会いに行くのはやめましょう


社長「先生、決算が終わったら融資を受けている銀行に報告に行くので同席していただけませんか」

税理士「え? 今期は特別説明が必要な決算でもないでしょう?」

社長「いや、亡くなった父(先代)から決算後は銀行に必ず行くよう教わりましたので」

税理士「でも、銀行の担当者には決算書を渡してますよね」

社長「いやいや、担当者に会いに行くわけではありません。支店長のところに行かないと」

税理士「昔と今では銀行の支店長の仕事はがらりと変わってしまったので、向こうから説明に来てくれと言われてからでいいと思いますよ」

社長「な、何が変わったんですか? でも、支店長のところに……」


(写真/PIXTA)
(写真/PIXTA)

 銀行の支店長にやたらと会いにいく社長は意外にたくさんいます。良好な関係を常に保っておくために必要だと考えているのでしょう。資金調達で苦労した経験がそうさせているのだと思います。

 昔は資金調達といえば銀行からの融資や手形取引などの間接金融に頼らざるを得ない時代だったので、マメに銀行に足を運んで商いの内容を支店長に理解してもらうことが大切でした。

 さらに昭和の終わりからのバブル時代は定期預金の利率が7%、住宅ローン金利が8%でしたから銀行は不動産担保でジャブジャブお金を貸し出していました(それが原因でバブル崩壊後の「失われた10年」で苦労しましたが)。

 三菱地所が米ニューヨークのロックフェラーセンターを買収したのもこの頃です。当然、銀行にも景気のいい話がどんどん持ち込まれ、豪快な支店長があちこちに生まれた時代でした。

 しかし、時代とともに銀行との付き合いも変化しています。そんな中で、いまだに銀行の支店長に足しげく通うのは本当に必要なのでしょうか。

 2代目、3代目社長は「支店長にはマメに会っておけ」というアドバイスに素直に従う必要はないと思うのです。

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