今月の調査マン
東京商工リサーチ 情報本部情報部課長 増田和史
2003年東京商工リサーチ入社。情報本部で15年以上、企業倒産の取材や分析に携わる
スポンサーはどんな会社にも現れるわけではない。シビアな経営判断をしている(写真はイメージ)(写真=PIXTA)
スポンサーはどんな会社にも現れるわけではない。シビアな経営判断をしている(写真はイメージ)(写真=PIXTA)

 カタログギフトの販売などを手がける北日本物産(新潟県燕市)が3月25日、負債約15億5000万円を抱えて東京地裁に破産を申請した。

 1927年(昭和2年)に創業した老舗の金物販売業だったが、平成に入りカタログギフトが人気を集めたことに目を付け、金物専門問屋から総合ギフト商社に転換。事業を拡大した。しかしその後、冠婚葬祭の簡素化やネット通販の急成長で業績は伸び悩んだ。さらに、2年前には都内の大口販売先が倒産して約1億円の不良債権が生じ、一気に経営が傾いた。

 大口の焦げ付きが発生した後は、苦しい資金繰りが続いた。自力再建が難しいと判断し、金融機関にリスケジュールを要請した。

 その一方、ファイナンシャルアドバイザーを通じてスポンサーを打診した会社は140社に及んだ。今年に入り、ようやく地元事業者とスポンサー契約にこぎつけた。

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