全2741文字

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。リーマン・ショックを超える経済危機をどう乗り越えるべきか、そして「アフターコロナ」で素早く回復するために、何を今準備しておくべきか。著名な経営者それぞれの「解」を聞いた。

 今回は、コロナショック前から働き方改革を推し進めてきたサイボウズの青野慶久社長が、コロナショックへの見方とコロナ後を語る。


(写真/尾苗 清、宮田昌彦、鈴木愛子、森本勝義)
・アイリスオーヤマ 大山健太郎会長
・堀場製作所 堀場厚会長 兼グループCEO
・ダイヤ精機 諏訪貴子社長
・六花亭 小田豊亭主
・サイボウズ 青野慶久社長
・広島市信用組合 山本明弘理事長
・古田土会計 古田圡 満代表 MODコンサルティング 金子剛史社長
・解説:「コロナ後」の経営を描く3つの視点


自分がもう一段成長する機会に サイボウズ 青野慶久社長

 サイボウズは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2月28日からリモートワークの取り組みを始め、情勢の変化に合わせて内容や範囲を調整してきました。長い部署では、約1カ月半続けています(取材は4月13日)。

育児社員に無理させない

収束後に栄えるのは
新たな環境に適応できた人
あおの・よしひさ
1971年生まれ。大阪大学卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、97年にサイボウズを設立。2005年に社長。18年より社長兼チームワーク総研所長。社内のワークスタイル変革により離職率を6分の1にするとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得(写真/鈴木愛子)

 4月7日の緊急事態宣言を受けて、子育て世帯の従業員は状況が大きく変化しました。保育園や学童保育に子供を預けられなくなり、自宅で育児をしながら働くことになったからです。

 私も育児と家事をしながら自宅で仕事をしていますが、どうしても会社と同じにはなりません。そこで、私から積極的に「子供の面倒を見ている人は無理をしないで」と発信しています。具体的には、仕事の成果が下がっても評価を下げないと明言したり、悩みがあったら直接相談してと、チャット経由で声をかけたりしています。できないものはできないと諦めることが肝心です。

 私は子供と接する時間が増えて、今まで気づかなかった発見をたくさんしています。妻とも明らかに会話が増えました。それで得られるものもあるでしょう。