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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。リーマン・ショックを超える経済危機をどう乗り越えるべきか、そして「アフターコロナ」で素早く回復するために、何を今準備しておくべきか。著名な経営者それぞれの「解」を聞いた。

 今回は、2月末に北海道が緊急事態宣言をして以来、コロナショックに直面してきた六花亭の小田豊亭主が、コロナショックへの見方とコロナ後を語る。


(写真/尾苗 清、宮田昌彦、鈴木愛子、森本勝義)
・アイリスオーヤマ 大山健太郎会長
・堀場製作所 堀場厚会長 兼グループCEO
・ダイヤ精機 諏訪貴子社長
・六花亭 小田豊亭主
・サイボウズ 青野慶久社長
・広島市信用組合 山本明弘理事長
・古田土会計 古田圡 満代表 MODコンサルティング 金子剛史社長
・解説:「コロナ後」の経営を描く3つの視点


危機だからこそ、人の心を大事にする 六花亭 小田豊亭主

 北海道でも2月に緊急事態宣言が出てから、コロナの影響が広がっています。

 観光客の土産需要が大きい菓子メーカーは大変と聞きます。六花亭も観光客が多い店は厳しい。ただ、当社は観光客向けと家庭のおやつ向けで売り上げを分け合う形です。家にいる方が増えて、おやつ向けの購入が多い店ではかえって売り上げが伸びています。4月は通年で最も売り上げが低い月なので、直近はそれほど影響がないと見ています。

 もともと、六花亭は売り上げ目標を定めない会社です。この有事で売り上げが減るのは仕方がない、平常心で行こうと社員に話しています。3月の売り上げは前年比3割減ですが、いずれ平時に戻ります。右往左往せず今まで通りやっていけば、必ずお客様は戻ってきてくれるでしょう。

8都府県の新聞に入れた折込チラシ。店舗のお客が減る分、通信販売に力を入れる

 ただ、売り上げ目標がないからといって社員の手が空いたままでは気持ちが緩みます。東京、新潟、京都などの新聞に折込チラシを入れて通信販売を強化しました。在宅の人が増えたことにより、生協経由で家庭のおやつ向けに販売するルートもいつになく好調で、4月は従来の経験に当てはまらない売れ方になっています。